幸いなのは、首位・神戸と今節で対戦する3位・名古屋と、上位3チーム中2チームと直接対決が残っていることだ。今後、3チームが総崩れするようなことは想像しづらいが、直接対決で差を縮めておけば希望はつながる。
前節の敗戦は、首位が射程圏にいたからこその敗戦でもあった。試合終盤の心理状態について関根 貴大は「今日は特に勝たなければいけなかったので、追いつかれたときにリスクのかけ方があまりにも前重心になった」と悔いた。同点にされたあと、チームは明らかにバランスを欠いていた。
「私はリスクを冒しながらプレーする攻撃的なプレーは好きですが、ナイーブな、幼稚な形になってしまってはいけません。特に若い選手たちにとって、本日の経験が良い教訓となってくれることを願っています」 広島戦後の会見に現れたマチェイ スコルジャ監督の表情に覇気はなく、語気も強くはなかったが、珍しくチームに苦言を呈した。今節に向けてどのように修正を施し、メンタル面も含めてどう立て直すかが注目される。
ただ、試合直後にある程度、そこは示されていたようだ。試合を振り返りながら、岩尾 憲は「ただ、自分たちが立ち帰る場所はハッキリしていますし、提示も受けています。そこをしっかりと地に足をつけてやる必要がある」とコメントしている。
立ち帰る場所とは何か。1つには集団で守ることをベースとした組織力だろう。ここ2試合はあまりにも個々が奮闘する姿が目立ち過ぎた。前々節・横浜FM戦より見られる前がかり気味な姿勢は躍動感を出すことができるが、リスクが増えつつも得点アップには直結していない。いま一度、構造を維持するところから見つめ直し、攻撃のバランスを探りたい。
一方の名古屋は2連勝中。浦和に圧勝した記憶も新しい天皇杯ラウンド16を含めて、中断期間明けから全勝と好調だ。神戸と2位・横浜FMが足踏みしていたこともあり、首位と勝点2差まで迫っている。
マテウス カストロの海外移籍という緊急事態が起きながらも、すかさず森島 司を獲得。戦力低下を招くことなく、ラストスパートに向けて準備は万端といったところだろうか。ここで浦和に不覚をとり、トップグループから振り落とされるわけにはいかない。
浦和としても、ここ2試合とはまったく毛色が違い、少し前に敗戦を喫したばかりの相手になる。教訓を生かしづらい状況とも言えるが、「よりリスク管理が大事になる」(関根)と注意すべきベースは変わらない。「しっかりまず自分たちが準備して、自分たちにフォーカスしなきゃいけない」と酒井 宏樹が語ったように、対名古屋を意識するよりも、自分たちを見つめ直すことがより問われる一戦になる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
