神戸は前々節、下位に沈む横浜FCに敗れた。徹底して引いて守る戦術を採用した相手からゴールを奪えず、2失点。苛烈な首位争いを演じる中で痛い黒星となったものの、初のリーグタイトルに挑んでいる中で前節は、見事なリバウンドメンタリティーを発揮する試合となった。
相手はここ6年で四度のリーグ制覇を遂げ、今季は中位に甘んじながらも、巻き返しに照準を合わせていた川崎F。難しい試合が想定される中で、立ち上がりからきっ抗した展開に持ち込む。攻守に連動した組織をベースに大迫 勇也、武藤 嘉紀らを軸に先制点の奪取をうかがった。
そして、34分に本多 勇喜のクリア気味のパスを大迫がキープすると、先発起用されたジェアン パトリッキが持ち前のスピードを生かしてカウンターを仕掛ける。相手の得点機会阻止による一発退場を誘発し、奪ったFKを大迫が鮮やかに決めて先制に成功。1人退場者を出しても、さすがのポゼッションワークで反撃を試みる川崎Fに対し、何度も危ない場面を迎えながらも体を張ったプレーでしのぎ切った神戸。敗戦後の試合はすべて勝利する反骨のメンタリティーを存分に披露した格好だ。
攻守に磨き抜いてきた戦術、絶えず味方を信頼し合うチャレンジ&カバーの精神を根づかせながら盤石の戦いぶりを続けている。リーグ戦は残り11試合だが、一戦必勝のスタンスを崩すことなく、今節も本拠地・ノエビアスタジアム神戸での歓喜に照準を合わせることになる。
一方、神戸とホームで対戦した第14節から指揮を執る井原監督の下、なかなか勝星を奪えない状態が続いた柏。前々節でようやく新体制初勝利、チームとしては5月3日の第11節・湘南戦以来、およそ3カ月ぶりの白星を飾った。前節・C大阪戦は後半アディショナルタイムの失点でドローに持ち込まれたものの、内容に結果が伴わない苦しい時期を経て、ようやく結果を手繰り寄せるところまでこぎつけてきた。
直近の試合では、後方からの長いボールを駆使することも多い。ハイプレスが代名詞の京都を1-0で破った前々節は圧巻の内容だった。パリ五輪世代のストライカー・細谷 真大は第20節・湘南戦から3戦連続ゴールを挙げ、前節は得点こそならなかったが、ドリブルから左ポスト直撃の惜しいシュートを放つなど好調ぶりを示す。関西勢との4連戦ラストは首位チームが相手となるが、その撃破は順位上昇への大きなエネルギーになるだろう。
互いに前線に力のあるFWを擁し、サイドには精度のあるボールを供給するクロッサーがいる。セカンドボールの回収を含めてバックラインの一瞬のほころびが命取りになることは必至だ。過酷な首位争いと残留争いの真っただ中、両者は目の前の勝点3だけを求めて集中力の高いバトルを繰り広げる。
[ 文:小野 慶太 ]
