パナソニック スタジアム 吹田で対戦するG大阪と名古屋はいま、最も勝利に飢えているチームと言っても過言ではないだろう。
リーグ戦直近5試合を振り返ると、ともに2分3敗。しかも、JリーグYBCルヴァンカップでG大阪は準々決勝敗退、名古屋は準決勝敗退に終わり、涙を呑んでいる。すでに8シーズン連続の無冠が決定しているG大阪は13位だが、下位との勝点差も詰まってきているだけに、危機感を抱いて残り5試合に挑む。
山本 悠樹が口にする言葉がチーム全体の思いである。
「順位的にはモチベーションを保ちにくいかもしれないが、良い状態で来季を迎えるのが大事。向上心を持ってプレーしたい」 5月下旬から8戦負けなし(7勝1分)という好成績を残して“V字回復”を見せたG大阪だが、ダニエル ポヤトス監督が作り上げてきたスタイルをより確固たるものにすることがミッションになる。約3週間のインターバルで取り組んできたのは、失点数がリーグワーストタイとなった守備の改善だ。
6試合ぶりの勝利に向けて得点が必要になるのは言うまでもないが、「名古屋はボールを奪ったあとに力があるチーム。攻めているときのリスク管理をより気を抜かずにやりたい」と山本が語るように、今節は名古屋のカウンター封じが不可欠になる。
今季のG大阪が苦手としている3バックシステムを採用する名古屋は、キャスパー ユンカーや永井 謙佑ら明確な武器を持つアタッカーを前線にそろえている。
右足小指の負傷から復帰し、前節・FC東京戦でベンチに入った三浦 弦太は、個で守り切れる力を持つだけに、ピッチに立てば最終ラインの耐久力は高まるはずだ。G大阪に加入した当初、指導を受けた名古屋の長谷川 健太監督は恩師にあたるが、「普通の対戦相手よりも意識する。良いところを見せたい」とモチベーションを高めている。
その一方で、チュニジア代表の一員として17日の日本代表戦に先発したイッサム ジェバリは、中3日の連戦となるだけに先発は不透明。ただ、FC東京戦で1トップとしてスタメン起用された宇佐美 貴史は「名古屋も人数を割いて守ってくるチーム。そこを崩す力がチームで必要になるし、自分もそこで違いを見せたい」と気合い十分だ。
一方、6位の名古屋は首位を走る神戸との勝点差が『11』に広がったものの、数字の上では逆転優勝の可能性はまだ残っている。10月6日には長谷川監督の契約更新が発表されており、残り5試合で再加速したい立場であることは言うまでもない。
守備が課題のG大阪とは対照的に、名古屋は得点力不足が最近の停滞の原因だ。ルヴァンカップ準決勝は2戦とも0-1で福岡に敗戦。リーグ戦では7月8日の第20節・横浜FM戦を最後に複数得点から遠ざかっており、攻撃陣の奮起が必要になる。
浦和時代にG大阪から3得点を挙げているキャスパー ユンカーは、リーグ戦3試合連続ゴールに向けて燃えているだろう。
明確な課題を持つ両者が、勝利を求めてピッチに立つ。
[ 文:下薗 昌記 ]
