「守備が強いチーム。マテ(マテウス カストロ)がいなくなってから勝てる試合が減ってきたかもしれないですけど、相当クオリティーのある選手がいる」 2021シーズンに在籍していた古巣について、そう印象を語っていたキム ミンテ。彼が言うように、エースのマテウス カストロがサウジアラビアのアル・タアーウンFCへ移籍した8月以降、リーグ戦で複数得点を記録できていないが、キャスパー ユンカーや永井 謙佑、和泉 竜司がいて、サブにも中島 大嘉や前田 直輝というタレントがひしめき、警戒しなければいけない選手はごまんといる。
ただ、湘南は守備に手ごたえがある。前節は大迫 勇也らタレントを多く擁する首位の神戸と対戦し、PK以外での得点を許さなかった。夏の中断期間以降、守備の立て直しを図り、正しいポジショニングで相手に素早くアプローチできるようになったことが大きい。「名古屋は神戸とはスタイルが違って、スペースを使ってくるチーム」(キム ミンテ)という違いはあるが、ハイラインの背後を突かれても相手より先にボールを触る予測と準備、出し手の蹴りたいタイミングで蹴らせないプレッシングが1つのキーになる。
名古屋は前節、鳥栖と対戦した。41分に挙げた永井の得点はVARで取り消されたが、65分にキャスパー ユンカーのゴールで先制。追加点を奪えずにいると、89分に失点し、引き分けに終わっている。
「これがわれわれのいまの実力」。試合後、長谷川 健太監督は肩を落とし、タイトルを獲るチームになるためにも、「もっと感覚を研ぎ澄ませてやらないと勝つことは非常に難しい」と話した。
タレントが目立つ一方で、前節で先発出場した久保 藤次郎をはじめ、中島や貴田 遼河ら若手の台頭も見られる。今後へつなげるという意味でも、ラスト3試合で若い選手が活躍し、ゴールに絡む姿が見られるかも焦点となる。
意味合いは違うが、湘南も今後へつなげるためにJ1残留が至上命令。名古屋の守備は堅いが、ゴールを奪い、勝利に、クラブの未来につなげられるか。強みである速攻を仕掛け、自身初の2ケタゴールをマークした大橋 祐紀、古巣戦に臨む阿部 浩之らFW陣が名古屋のゴールをこじ開けられるか。
組織力を生かした戦いと、その中での個々のプレーが両者の命運を握る。
[ 文:舞野 隼大 ]
