広島はついに開業した『エディオンピースウイング広島』をホームスタジアムにして戦う最初のシーズンだ。サンフレッチェ広島に関わってきた人々は皆、息をするだけでも気持ちが高揚し、否応なしに気を引き締め、2月23日を迎えることになるだろう。
昨年の12月、強化本部長に就任した雨野 裕介氏は、「このスタジアムができるまで三十数年の間に、たくさんの人のいろいろな思いが紡がれてきた。新スタジアムのピッチに立ちたかった人もたくさんいるし、これから立ちたいと思っている人もたくさんいる。過去から未来までたくさんの人が憧れるスタジアムができたことを誇りに思ってやっていきたい」と落ち着いて話しながら強い決意をにじませた。
また、ミヒャエル スキッベ監督が就任して3年目を迎え、完成度が高まっているチームを見て、自信をのぞかせる。
「今年に向けてずっと積み上げてきたものがある。足立さん(足立 修前強化部長)が作ってきてくれたチームはほぼでき上がっているので、僕はほとんどいじらなかった。われわれは今年を逆算して準備してきたし、間違いなくチーム力があると思うので、最初から波に乗っていけるようにやっていきたい」 新スタジアムを建設するために尽力してきた人たちの思いを胸に、開幕を迎える。ピッチに立つ権利を得られるのは、プレシーズンにミヒャエル スキッベ監督が課してきたハードなキャンプを乗り切り、各ポジションで激しさを増した競争に勝った選手。その栄誉を得た選手たちならば、“新たな一歩目”にふさわしいプレーを見せてくれるはずだ。
対する浦和はペア マティアス ヘグモ新監督を招聘して新たなスタートを切る。昨季は、西川 周作やアレクサンダー ショルツ、マリウス ホイブラーテンを中心に堅守を構築し、リーグ最少失点を記録。そこへ、チアゴ サンタナ、オラ ソルバッケン、サミュエル グスタフソンと有力な外国籍選手が主要ポジションに加わって大きくスケールアップしている。ペア マティアス ヘグモ監督が率いるチームが開幕戦でどんなパフォーマンスを見せるのかは、優勝争いを占う意味でも注目が集まるところだ。
誰がEピースで最初のゴールを決めるのかも楽しみなトピック。10日にG大阪を招いて行ったこけら落としの試合でゴールを決めたピエロス ソティリウは、「まだ公式戦ではない。とにかく浦和戦でゴールを決めることが大事だ。ここまでは順調に来ているけど、浦和戦にしっかりと照準を合わせたい」と話していた。心身ともに充実しているキプロス国籍FWが有力な候補になるが、加藤 陸次樹、満田 誠、そして新加入の大橋 祐紀もどん欲にゴールを狙うはずだ。
この日を待ちわびていたファン・サポーターが詰めかけてキックオフする開幕戦。お互いがアグレッシブにゴールへ迫っていくハイテンションな90分間を期待したい。
[ 文:寺田 弘幸 ]
