開幕戦の結果は違ったかもしれないが、両チームともに新戦力が躍動した。鹿島ではストライカーのチャヴリッチが1得点1アシストとさっそく結果を残した。安西 幸輝のクロスに対して、相手に前後を挟まれながらも体勢を崩さずにヘディングシュートを流し込み、チーム2点目をマーク。62分には樋口 雄太とのワンツーで抜け出すと相手DFの圧力をものともせず、優しいクロスをファーサイドに送り、チーム3点目を演出した。また、関西学院大から加入したルーキーの濃野 公人は右SBで先発すると、攻守にわたって上々のプレーを披露。ボランチにコンバートされた知念 慶も“新戦力”として勝利に大きく貢献した。
C大阪では登里 享平が左SBで違いを生んでいた。ポジションも外に張るだけではなく、内に入ってビルドアップをコントロール。相手陣に前進するための端緒となっていた。また、アンカーに入った田中 駿汰は期待どおりの活躍を見せた。攻撃時には縦パスを攻撃陣に供給し、守備になればFC東京の起点をつぶす役目を担う。セットプレーからゴールも奪い、新10番にとっては最高の滑り出しだったと言えるだろう。
ただ、ポジティブな面を多く出せた一方で、「われわれがここまで準備してきたこと、積み上げてきたことのすべてがうまくいった試合ではなかった」(ランコ ポポヴィッチ監督)というのが、両監督の思いだろう。鹿島を例にとると、今週は守備面の細かな部分を取り上げ、チーム内で共有することに徹底的に時間を割いた。その理由について、チャヴリッチは「細かいところを突き詰めていけば、自分たちに有利な状況になると思っています」と話す。
開幕戦で鹿島は全体が連動して、ボールを奪い切る場面を思った以上に作ることができなかった。ボールを失ったら素早く守備に切り替え、球際で激しく当たるというのは、鹿島だけでなく、C大阪も狙いを持って取り組んでいる部分だ。試合を優位に運ぶためにも、どちらがプレッシングを機能させるかがカギとなるかもしれない。
両チームの対戦成績は、リーグ戦直近13試合で鹿島が11勝2分とC大阪を圧倒している。昨季の県立カシマサッカースタジアムでの対戦も鈴木 優磨の得点で鹿島が1-0で勝利を収めている。鹿島にすれば苦手意識はないだろうが、C大阪はこの不名誉な記録に終止符を打とうと必死になってくるだろう。C大阪にはまだ力を発揮できていないヴィトール ブエノもいる。開幕戦からどんな上積みを見せるのかにも注目だ。
[ 文:田中 滋 ]

