大きな傷は残ったが、サッカーで受けた悔しさはサッカーで晴らすしかない。
「タイトルを1つ失ったので、リーグに懸けるしかない。まだまだ優勝するチャンスというのが残されている中で、目の前の1試合というのが本当にカギを握ってくると思っている」 そう言うのは樋口 雄太。まずは今節・C大阪戦での勝利を目指す。
なかなか勝ち切れない試合が続いた鹿島とは対照的に、C大阪は3連勝で波に乗る。明治安田J1第24節で横浜FCを1-0で下すと、前々節は鹿島が苦労した名古屋の堅守を3-1で粉砕。前節・川崎F戦も3-0で完勝する強さを披露。ゴール自体はオウンゴールと2つのPKだったが、攻め続けた結果の獲得だった。
手ごたえを得る勝利に小菊 昭雄監督も称賛を惜しまない。「前節の名古屋戦から内容を伴った勝利ができたことをうれしく思います。試合をベンチで見ながら、『うまい選手が強く、たくましく成長しているな、戦っているな』と強く感じました」と、選手の成長を喜んでいた。
自信を持ってプレーしていることは、日本代表に選出された右SB毎熊 晟矢が、のびのびと自身の特長を出したことからもうかがえる。欧州遠征で高いレベルを経験した毎熊がどんなプレーを見せるのかは、この試合の大きな注目ポイントだ。
鹿島にとっては、前節・湘南戦での鈴木に続き、今節は仲間 隼斗が累積警告により出場停止。動きのあるサッカーをする上で、周りの選手とつながりながら動ける仲間不在の影響は決して小さくないだろう。全員でうまくカバーしたい。
替わりに起用されるのは松村 優太が最有力。ルヴァンカップ準々決勝第2戦では「何もしていない」と、彼も大きな悔しさを味わった1人だ。大きな期待を背負いつつ、結果を残せていないことに「危機感は強い」と話す。そうした思いを試合にぶつけられるかが問われている。
そこまで力の差はないはずなのに、近年は鹿島が圧倒的な戦績を残している。J1の舞台では、12試合負けなしの10勝2分でC大阪の前に立ち塞がってきた。あとがない鹿島だけでなく、4位に浮上したC大阪も勝てば優勝争いに残ることができる。終盤戦への生き残りを懸けた戦いである。
[ 文:田中 滋 ]

