ここまでの2連戦、C大阪はいずれも終盤に決着がつくドラマチックな展開が続いている。ホームに広島を迎えた前々節は、0-0で迎えた90+3分に失点。土壇場で勝点を失った一方、アウェイに乗り込んだ前節のG大阪戦は1-1で迎えた90分に決めた加藤 陸次樹のゴールが決勝点となり、劇的な勝利を収めた。結末こそ真逆だったが、この2戦で共通していたのは守備陣が奮闘を見せたこと。GKキム ジンヒョンは好セーブを連発。広島戦では劣勢の中でも試合を作り、G大阪戦では後半アディショナルタイムのビッグセーブで勝点3獲得に大きく貢献した。CBマテイ ヨニッチと鳥海 晃司もゴール前で体を張り、危険な場面で好カバーを見せるなど、壁として立ちはだかった。
今季は香川 真司を組み込んだボール保持にトライしているC大阪だが、近年成績を残しているシーズンは常に守備の安定がベースにあった。“攻め勝つ”スタイルも目指しつつ、堅く守り相手のスキを突いて攻める攻撃、いわゆる“堅守速攻”もまたC大阪のスタイルだ。G大阪戦は[4-3-3]でスタートし、後半途中から[4-4-2]に変更。2トップを加藤と北野 颯太、左サイドハーフに上門 知樹を配置し、相手CBへのプレスを強化して縦へのスピードを生かす戦い方にシフトした。
小菊 昭雄監督は「今年やってきた[4-3-3]がうまくいかなかったとしても、立ち返る場所があったり、そういった選手の起用であったり、幅が持てたことは私自身にとっても大きく感じている。いろいろな選択肢の中で、チーム戦術を変えていける。それはこれからも続けていきたい」と試合後に語った。やるべきことのベースは一人ひとりが持った上で、良い意味で柔軟に戦い方を変えていけることは今後もチームの強みになるだろう。今節もベンチを含めた18人全員で連勝を目指す。
対する鹿島は3連勝中。いずれも無失点での勝利と攻守の歯車がかみ合っている。一時は4連敗を喫するなど難しい時期も過ごしたが、ここにきて復調。前節・札幌戦後には岩政 大樹監督も「やっと勝星が五分になった。まだ自分たちが望んでいる場所にはいないが、3連勝、そして3試合クリーンシートという結果は自分たちに自信を与える」と語り、やや低調だったシーズン序盤を経て、今後のさらなる巻き返しに自信をのぞかせた。システムを[4-4-2]に戻して安定した守備と、4試合連続ゴール中の鈴木 優磨を軸とした攻撃で4連勝を目指す。
攻撃面で上積みする要素や課題はあるが、前節は守備の安定を結果につなげた両チーム。それだけに今節も手堅い試合になる可能性は高い。その中でチャンスを決め切り、勝点3を手にするのはどちらか。上位進出を懸けた両者による、シーズン序盤の大一番だ。
[ 文:小田 尚史 ]


