「縛られるというよりは、慣れていないだけだと思います。新しい職場に行って、(最初の)何カ月かは慣れないのとまったく同じことなので。それがルーティン化されて、いつもどおり普通にプレーできるようになれば、絶対強くなるというのは実感しています」 ただし、ペースアップの必要性も十分に感じている。目標が高いのであればなおさらだ。
「そこまでをなるべく短くしないといけない。僕らは結果を出さないといけなくて、未来のためにサッカーをしているわけではないので、そこはやっていかないといけないと思います」 前節・湘南戦は大量4得点を挙げ、攻撃面は一定の成功体験を得た。「攻撃に関しては良かったし、後ろから見ていてもキレイだった」と酒井も語るが、課題も多く出た試合になった。先制したあとのゲーム運び、特に守備時の振る舞いがうまくいかなかった。
「リードしたあとの立ち振る舞いというか、チームとしての方針がまだあまり定まっていないというか、去年のスタンスと今年のスタンスが大きく違うので。そこに戸惑っている部分もあるし、選手全員でどうやるんだというところの意思統一ができていなかった」 小泉 佳穂はそう振り返り、関根 貴大も「(先制)点を取ったあとにああいう展開になるのはちょっと違う」と、目指しているところではないと言う。基本スタンスである、前からプレッシャーを掛ける守備は機能していたが、自陣に構えた際との強度の落差が激しかった。
自滅的なミスも含めて、湘南の攻撃が優れていたのか、浦和の守備が稚拙だったのかの度合いは微妙なところだった。ただ、その湘南戦のあとのトレーニングや練習試合では、かなりの改善があったようだ。
「去年は、1点でわりとセーフティーリードみたいなところもあって、チームとして堅くというのがありましたけど、今年は2点、3点を奪いにいく意識を強くしたい、というところを再確認したのかな。そのためのディフェンス、細かい形やディテールは試行錯誤ですけど、方針みたいなものは定まって、再確認したというところがありました。ちょっと大胆な意識改革みたいなのがあったので、これを今週やってみようという意識でチームとしてやっています」 攻撃はすでに上昇機運なだけに、昨季の鉄壁とまではいかなくとも、一定の守備力が安定すれば総合力が大きく上向く。期待の持てる状態で、今季のホーム初勝利へ再挑戦できそうだ。
一方のアウェイ・福岡も、開幕3試合負けなしから一転、前節・FC東京戦では大量3失点。紺野 和也は「早い段階から、相手にボールを持たせるのではなく持たれてしまって、相手が気持ちよくプレーしてしまっていた」と、福岡らしさを出せなかったことを悔いた。今節は再び、堅く守りながらも積極的な福岡らしさを出せるかどうか。浦和の強力オフェンスを抑え切ることができれば、再び自信を取り戻すことになるだろう。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
