いまの湘南に欠けているものは、勝負強さやしたたかさといったものになる。
0-0でハーフタイムを迎えた前節、前半は湘南のほうが内容で鹿島を上回っていた。アグレッシブなプレッシングやカウンター、クロスなどから決定機は作れていた。
しかし、キム ミンテはこう語る。
「鹿島にいたので分かりますけど、正直、彼らは何も思わなかったと思います。0-0でOKで、チャンスがあればそれを決めるだけだと思っていたと思います」 実際に、鹿島は前半のうまくいかない時間でもどしっと構え、湘南にゴールを割らせないことにパワーを大きく割き、後半の立ち上がりにセットプレーを得た“ここぞ”というところで、勝負を懸けてきた。
「これだけ負けてしまうといろいろ考えてしまいますけど、なるべくシンプルにならないといけない」と1つの解決策を提案するキム ミンテは、「もともとの湘南らしく積極的に行きつつ、前の選手が守備に回る時間が長くなってゴールを決められない、ということがないようにしたい」と、ディフェンスでの責任を1人で背負うくらいの覚悟を示す。
中2日で迎える今節は、勝点1差で2つ上の順位につける鳥栖が相手だ。勝てば順位は入れ替わり、浮上へのきっかけにもなるだけに、重要な一戦であることは言うまでもないだろう。
対する鳥栖は、前節・東京V戦で0-2の敗戦。川井 健太監督は試合をこう振り返った。
「攻める、チャンスを作る、決め切れない。少しイレギュラーなPKを与えてしまう。後半も同じような構図で進んでいく。最後、イレギュラーな形でさらに失点をしてしまった」 20分にPKで先制点を献上し、ゴールを決め切れないでいると、後半アディショナルタイムに追加点を決められてしまった。
ただ、内容に目を向けていくと、攻撃においては左SB長沼 洋一が高い位置にポジションを取り、「チャンスも作れていたので悪くなかった」と川井監督は語っている。あとは、そういった狙いをゴールや勝利という結果へいかに結びつけるか。
決め切れなかった悔いが残るが、「勝点はどれだけ後悔しても戻ってこない。フィジカルもメンタルもしっかりとエネルギーをためて、湘南戦に向かっていきたい」(川井監督)と、チームとして顔を上げる。
うまくいかないときに、どんな振る舞いができるか。降格圏に沈む湘南と鳥栖の一戦は、それぞれの真価が問われるゲームになる。
[ 文:舞野 隼大 ]
