名古屋が好調に転じた一番の要因は、エースのキャスパー ユンカーがケガから復帰したこと。前々節・FC東京戦で12試合ぶりに先発し、いきなりハットトリックを達成。得点力不足のチームに強力なFWの軸ができた。
そして、アウェイでの前節・鳥栖戦は、長距離の移動を伴う中2日という厳しい日程の中、ケガから戻ってきた選手たちに負けてはいられないと、先発した全員が序盤からアクセルを踏み込むアグレッシブなサッカーを展開し、6分に稲垣 祥が先制点を奪取。後半に入った50分には倍井 謙が追加点を挙げた。第13節・G大阪戦の敗戦でチームの雰囲気は落ち込みかけたが、FC東京戦でのキャスパー ユンカーの活躍に加え、昨季までキャプテンを務めていたリーダー・稲垣と期待のルーキー・倍井のゴールによって、一転して明るく変えた。
その証拠が水曜日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦。アウェイで横浜FCと対戦した名古屋は、開始5分に中山 克広のクロスを永井 謙佑がヘディングで合わせて先制点を挙げると、その2分後にも右サイドから攻め込み、榊原 杏太が丁寧に落としたボールを走り込んだ野上 結貴が決めて追加点を奪う。相手がこちらの出方をうかがう前に、立て続けにゴールというパンチを浴びせられたのは、チームとして乗っているからこその芸当だろう。
ただ、そうやって調子づいてきたときほど落とし穴が待っているのが、サッカーというスポーツだ。今節で対戦する京都は現在5連敗中で、しかもその5試合で3得点16失点と攻守がかみ合っていない状態。ただ、そういう苦しい状況にある相手に、好調なチームが白星を献上してしまう試合をわれわれは過去に何度も見てきた。かつて長谷川 健太監督も「連敗中のチームとの対戦は、相手がどんな手を打ってくるのか読めない部分もある」と、より難しい試合になりがちだと語っていた。
そこで必要なのは、相手の変化や弱点をピッチ上の選手が素早く見抜くこと。そしてそれを全員が共通理解して突いていけるかだろう。横浜FC戦では主力も多く出場していた名古屋。今節は公式戦5連戦の5試合目と疲労感も残る中で、いかに臨機応変に戦い、自分たちのリズムでゲームを運ぶことができるのかがポイントとなる。
一方、5連敗中で最下位と厳しい状況にある京都は、守備をどう立て直すのかがポイントになるが、まずは先に失点しないことが肝心だ。先制点を奪われることでメンタル的にも展開的にも厳しくなる。当然守備陣は90分間を無失点で終えるつもりで臨むだろうが、特に早い時間帯での失点は要注意である。
ただ、守備に気を使い過ぎて、立ち上がりから勢いよく飛び出してくる相手に対し、受け身ばかりでは破られてしまう可能性が高くなる。できればしっかりとボールを握りながら守備の時間を短くしたいところ。その中で特に注意したいのはビルドアップ時のミス。名古屋は中盤で奪ってからのショートカウンターを得意としており、最終ラインや守備的な中盤の選手のところで連係が乱れると、すぐに危険に陥る。よりコミュニケーションを高め、集中力を保って戦っていきたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
