現在の両チームの状況は似ている。第9節から6戦勝ちなしだったC大阪は、前節・福岡戦で7試合ぶりの勝利。今季最多の3得点を奪い、クリーンシートも達成して快勝を収めた。対する広島も前節、同じく7試合ぶりの勝利。内容的にも京都を圧倒する5-0で圧巻の強さを示した。両チームは今週の水曜日にJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦を戦っており、C大阪は琉球を、広島は東京Vをそれぞれアウェイで下し、プレーオフラウンド進出も果たしている。苦しい時期を乗り越え、公式戦2連勝で迎える今節。つかんだ勢いをさらに大きくする上で、両チームにとって非常に重要な試合になる。
C大阪は、福岡戦ではメンバーや戦い方に少し変化を加えた。それまでは一貫して[4-3-3]で戦ってきたが、中盤の構成を微調整。ヴィトール ブエノをトップ下に、田中 駿汰と奥埜 博亮をダブルボランチに配置する[4-2-3-1]でバランスをとった。この采配により、ヴィトール ブエノがより攻撃に注力しつつ、奥埜が田中の脇でセカンドボールを拾って守備の安定感をもたらすなど、選手それぞれの良さをうまくチームに落とし込むことができた。試合後、奥埜が「自分たちが今までやってきたことは間違いではないですし、それに加えて選択肢が何個かあれば、自分たちの強みになります。今までやってきたことを無駄にせず、継続しながら、使い分けていけたらいいと思います」と話したように、チームの方向性を変えたわけではない。外国籍選手を生かした攻撃サッカーという“幹”は変えず、選手それぞれが持つ質の生かし方として、“幅”を加えた格好だ。土台を安定させることで、レオ セアラ、ルーカス フェルナンデス、ジョルディ クルークス、ヴィトール ブエノといった外国籍カルテットの攻撃力も、より脅威を増す。負傷離脱していた毎熊 晟矢が福岡戦で復帰し、カピシャーバが全体練習に合流したことも、チームにとっては追い風だ。
広島も京都戦では前々節・鹿島戦からスタメン5人を変更するなど変化を加えた中で、出場した選手たちが躍動。競争が活性化し、チームの層の厚みも増した。前から奪いにいく守備の強度、攻撃に切り替わった瞬間の湧き出るスピードや迫力はJ1トップクラス。中でも、京都戦でハットトリックを決めた新井 直人のインパクトは大きかった。左足でのミドルシュート、CKからのヘディングシュート、右足での直接FKと異なるパターンを披露し、能力の高さを存分に見せつけた。その新井、松本 泰志、加藤 陸次樹はいずれもC大阪に在籍経験があり、古巣戦になる。今節は調子が上向きの彼らのパフォーマンスにも注目したい。
両チームとも、一時首位に立つなど、序盤のリーグ戦を引っ張ってきた。ここから再び浮上し、優勝争いに加わっていきたい立場は同じ。公式戦3連勝を目指し、バチバチの高強度のバトルが繰り広げられることは間違いない。
[ 文:小田 尚史 ]


