近年、Jリーグの中で最も目覚ましい成績を残すチームの1つが横浜FMだ。2019年の優勝を皮切りに、2020年こそ9位に沈んだものの、2021年は2位、2022年には再び優勝、そして昨季も2位という成績でシーズンを終えた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではクラブ初の決勝進出を成し遂げ、西地区代表のアルアインと対戦。ホームでの第1戦を2-1で勝利しながらも、アウェイでの第2戦を1-5で落とし、アジアのタイトルは逃した。
今季はリーグ戦とACLのスケジュールが並走する難しさもあり、消化試合が2試合少ない中、5勝5分4敗の勝点20で13位と成績が伸び悩んでいる。特に4月中旬から5月中旬にかけては6試合連続勝利なしという苦しい時期も味わった。しかし、日本時間26日未明に行われたACL決勝第2戦から実質中2日で臨んだ29日の明治安田J1第9節・柏戦は、UAEから帰国したばかりとは思えないアグレッシブな戦いを見せ、エースであるアンデルソン ロペスの3ゴールを含む4得点。4-0で、リーグ戦では7試合ぶりとなる勝利をつかんだ。
そして、中2日で迎えるのがこの試合となる。コンディション的には鹿島が有利だが、それが何も当てにならないことは鹿島の選手たちはよく分かっているだろう。なにしろ、自分たちも同じ経験をしたばかりだからだ。5月12日に行われたホームでの第13節・東京V戦のあと、中2日でアウェイでの第14節・広島戦を戦うというスケジュールがあったばかり。広島は中8日と万全の状態で準備を進め、コンディションの差は明らかだったが、序盤から相手を圧倒し、3-1で勝利した。アジアタイトルを逃した悔しさを抱え、柏戦で勝利した勢いとともにこの試合にぶつけてくる横浜FMの怖さは、よく分かっていることだろう。
ランコ ポポヴィッチ監督が推し進めてきたスタイルも浸透し、ここ7試合で6勝1分と結果もついてきている。特に、東京V戦から始まった公式戦5連戦では、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦で町田に敗れたものの、広島、神戸という強敵を撃破。昨季2連敗、またはそれに近い成績で苦しめられていた相手に対し、勝点3を奪えるようになった。横浜FMも2年連続でシーズンダブルを許した相手。選手たちの意気込みは並々ならぬものがあるだろう。
ただ、選手たちはどの試合も変わらぬ姿勢を貫いている。
「本当に、目の前に来る一戦に対して、自分たちがやっていることを全力で出す、ということに集中できている。勝っていて良い雰囲気かと言われると、どちらかというとまだまだ成長できるという雰囲気です」(鈴木 優磨) 横浜FMはスタイルがハッキリしているチームだ。どちらが主導権を握るかの戦いとなりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]


