前節、札幌とのアウェイゲームに臨んだ神戸。序盤から相手のスキを巧みに突くが、FKを直接決められて先制を許す。それでも後半開始から投入された佐々木 大樹が攻撃のアクションを起こし、大迫 勇也の公式戦4試合連続となるゴールをアシスト。逆転への流れを作ったものの、そのまま1-1の引き分けに。難しい試合展開ながら勝点1をつかんだ格好だ。
鹿島が敗れたことで順位は3位に浮上したものの、勝利した町田との勝点差は『8』に開いた。吉田 孝行監督は「現実的には離されてはいけない状況」としつつも、“一戦必勝”のスタンスを貫くことの大切さを強調。「大事なのは『3』を取ること。目の前の試合に集中してやっていく」と変わらぬ姿勢で今節の勝利への準備に着手している。
ただ、ケガ人が続出していることは気がかりだ。先日には精神的支柱でもある酒井 高徳の負傷離脱が発表されたが、攻撃陣の離脱も相次いでいる。汰木 康也や宮代 大聖に続いて井出 遥也も負傷離脱していることが判明。前節はFW役を兼務する左インサイドハーフの先発に山内 翔を抜擢したが、ベンチワークも想定したメンバー編成に指揮官は頭を悩ませる状況にある。
そんな中でも、大迫や武藤 嘉紀が好パフォーマンスを続けていることは心強い。15日に32歳のバースデーを迎えた武藤は「もう32歳なので、努力を怠ってしまったらそこで成長が止まってしまう時期になった。今までは経験やら環境、歳を重ねることで成長はできたと思うけど、ここからは自分自身でプラスαをやらないと弱くなっていく年代。とにかく自分に鞭を打って、毎日毎日サッカーに真摯に向き合っていきたいなと思う」と抱負を口に。今節も前線からチームを引っ張ることになる。
一方、名古屋は前節で長らく続いた暗いトンネルをようやく抜け出す勝利をつかみ取っている。明治安田J1第19節・東京Ⅴ戦からの連敗を『4』で止め、第15節・鳥栖戦での勝利を最後に続いていた未勝利も『7』でストップさせた。何よりも欲しかった勝点3の獲得をホームサポーターと一緒に喜ぶなど、価値のある時間を過ごしていた。
特にゴールを奪った2人の存在は大きい。カーザ・ピアAC(ポルトガル)への期限付き移籍から戻った相馬 勇紀と、加入後リーグ戦初得点となった山岸 祐也。復帰初戦だった相馬は左右のウイングバックで躍動感あるプレーを見せ、山岸のゴールはストライカーらしい豪快さがあふれていた。1点ビハインドで迎えた後半にチームの窮地を救い、確かな勢いを生み出した2人のパフォーマンスは、これからの戦いにもはずみをつけるようなインパクトを与えている。
両チームは第11節で豊田スタジアムを舞台に対戦し、神戸が2-0で勝利。さらに、ノエビアスタジアム神戸で行われた昨季の第33節では、井出と武藤がゴールを決めた神戸が2-1で制し、クラブ史上初のJ1優勝を成し遂げた。神戸の再現か、それとも名古屋のリベンジか。上位追撃と反転攻勢をかける両雄が対戦する。
[ 文:小野 慶太 ]
