この一戦は残留争い、優勝争いの行方に大きく影響を与える大一番だ。降格圏内の18位・磐田と勝点5差、19位・札幌と勝点6差の柏は、勝利すれば残留が決定。引き分けや敗れた場合でも、他会場の結果次第で残留が決まる状況だ。一方の神戸は優勝の可能性を残している2位・広島と勝点3差、3位・町田と勝点5差。勝利し、翌日に試合を行う広島が引き分け以下の場合、優勝が決まる。引き分けた場合でも、広島が敗戦、町田が引き分け以下でリーグ制覇となる。
ホーム最終戦で残留を確定させたい柏は、直近4戦未勝利。その期間の全試合で後半アディショナルタイムに失点を喫しており、勝点を取りこぼし続けている。井原 正巳監督は「細かな部分を1つずつ消しながら試合に臨んでいるつもりではあるが、そういう中でもわれわれの緩さやスキが出てしまっていると思う。何かやればそういったことを防げるのかと言われると答えはないと思うが、一つひとつ突き詰めていくしかない。普段の練習しかそれを解決する方法はないと思う」とコメント。3週間の中断期間で取り組んだ練習の成果を発揮し、今節こそ課題を克服したい。
攻撃面に目を向けると、第29節・東京V戦を最後に2カ月以上複数得点から遠ざかっている。チーム全体が守備に重きを置く戦い方にシフトした影響もあるだろうが、とはいえゴール数の少なさは気になるところ。ホーム戦直近2試合で得点を挙げている細谷 真大など、攻撃陣の奮起に期待したい。
キャプテンの古賀 太陽は「勝って終えることに意味がある」と語る。他会場の結果うんぬんではなく、自らの力で残留という結果をつかみ取るのだという強い意思をチーム全体で表現したい。
対する神戸は、リーグ直近3戦こそ1勝1分1敗だが、シーズンを通して安定した強さを示している。大迫 勇也や武藤 嘉紀、酒井 高徳など日本代表経験者が多く在籍し、ピッチ上で勝者のメンタリティーを発揮。2022年途中の就任から3年目の指揮を執っている吉田 孝行監督の下、チームは円熟味を増している。
先週末の天皇杯決勝では、G大阪相手に1-0で完封勝利。試合巧者ぶりを見せつけ、5大会ぶり二度目の優勝を達成した。その3日後に行われたAFCチャンピオンズリーグエリートリーグステージ第5節・CCマリナーズ(オーストラリア)戦は完全ターンオーバーで臨み、3-2で勝利。吉田監督が「今日のスタートのメンバーに関しては自分自身、自信を持って送り出せるメンバーだったし、必ず勝点3を取れると思っていた」と振り返ったように、チームの総合力を示す一戦となった。そして裏を返せば、CCマリナーズ戦に出場していない選手たちは疲労の蓄積が少ない状態で今節に臨めるということ。クラブ史上初のリーグ2連覇に向け、波に乗っている状態でアウェイの地へ向かう。
今季、両チームは天皇杯ラウンド16を含めて2試合戦い、1勝1敗のイーブン。三度目の対戦で勝利を挙げるのは柏か、それとも神戸か。両者の命運を握る一戦は、11月30日、14時キックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
