8日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われる明治安田J1第38節・川崎Fvs福岡。翌シーズンをまったく同じメンバーで戦う可能性はどの国のどのチームにとってもゼロに等しく、シーズンラストゲームはいまのチームで戦う最後の試合となる。加えて、今回対戦する両チームは、監督の今季限りでの退任が決まっている。
「1年の最後なので、フロンターレらしいサッカー、オニさん(鬼木監督)が作ってきたサッカーを観に来てくれるサポーターにしっかり見せたい」。そう話したのは、時に鬼木監督に厳しく指導されながら成長し、鬼木監督を「恩人」と仰ぐ佐々木 旭だった。
今季から加入した三浦 颯太は鬼木監督とのつき合いは1年と短い。それでも「自分の足りない課題や分かっていた課題も試合ごとに細かく言ってくれるし、試合のときもモチベーションをうまく上げてくれる」と信頼する指揮官を「勝たせてあげたい。そのために自分ができることをやることがすべて」と力を込める。
川崎Fは後半45分のみの再開試合だった11月22日の第28節・浦和戦から、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の2試合を挟みながら、この試合まで怒とうの公式戦5連戦でシーズンを終える。
思うように結果が出ず、それが鬼木監督の退任理由にもなったが、浦和戦の後半を1-0で終え(試合としては1-1の引き分け)、以降はACLEリーグステージ第5節・ブリーラム(タイ)戦を3-0、前節・東京V戦を5-4、ACLEリーグステージ第6節・山東(中国)戦を4-0と、大量得点で公式戦3連勝を果たしている。
鬼木監督は「それが自分たちらしさ」とした上で、「『最後の最後まで攻撃スタイルを貫こう』と選手たちに話しているし、自分自身もそういう気持ちで臨みたい」と強調した。
福岡はホーム最終戦を勝利で終えているため、川崎Fに比べると“ラスト感”は少ないかもしれないが、川崎F同様、今季限りでの退任が決まっている長谷部 茂利監督に育ててもらったと感じている選手は多く、「シゲさん(長谷部監督)を勝利で送り出す」という強い思いを持ってアウェイに乗り込む。
昨季のJリーグYBCルヴァンカップでのクラブ初タイトル獲得など、長谷部監督の下でクラブの歴史に新たな記録を刻み続けてきたが、J1に昇格した現体制2年目の2021年以降、厳密には中立地開催となる2023年の天皇杯準決勝も含め、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(2023年までの名称は等々力陸上競技場)では一度も勝てていない。最後に鬼門を突破してシーズンを終えたいという気持ちも強いはずだ。それは逆もまたしかり、川崎Fも“鬼木フロンターレはホームでアビスパに敗れず”で終えたいはずだ。
スタンドを埋め尽くす両チームのファン・サポーターも含め、全員が特別な気持ちで迎えるこの一戦。1ケタ順位争いという枠を超えた熱戦、互いの集大成となることは間違いなさそうだ。
[ 文:菊地 正典 ]


