風は湘南に向いているのだろうか。勝敗の数字だけを見ればそうとも思えるが、浦和も決して易しい相手ではない。開幕戦にせよ前節にせよ、相手のゴールには幾度となく迫っている。特に開幕戦では、王者・神戸を相手に前半は圧倒。中でも、マテウス サヴィオのフィット感は新戦力ということを忘れさせるほどで、シュートはもちろん、巧みなパスで味方のフィニッシュを演出した。前節も先制点こそ京都に奪われたものの、マテウス サヴィオが演出した決定機や、相手のミスを見逃さないチアゴ サンタナの同点ゴールは強く印象に残った。
迎え撃つ湘南も、今季は一味違う。昨季から積み上げてきた連係や豊富な運動量を遺憾なく発揮し、開幕戦では鹿島に1-0で勝利。前節は、開幕戦で5得点を挙げていたC大阪を相手に1失点に抑え、2得点を奪ってみせた。
やはりここで触れておかなければならないのが、“ダブルエース”と言われる昨季2ケタ得点コンビ、福田 翔生と鈴木 章斗だ。福田 翔生は開幕戦で決勝点を奪取。すると、鈴木 章斗は「翔生くんが決めていたので、自分も決めたいなと思っていた」とライバル心を燃やし、C大阪戦で2ゴール。あと少しでハットトリックという場面まで作り出した。福田 翔生はその試合でアシストこそ記録したものの、無得点のまま途中交代を告げられると、心なしか悔しい表情を見せていた。高め合う2人が、今季もキーマンとなっている。
例年苦しんできたシーズン序盤のイメージを払しょくし、27年ぶりにトップカテゴリーでの開幕2連勝を飾った湘南がこのまま好調を維持するのか。それとも浦和が今季初勝利をつかむのか。
注目選手を挙げるならば、湘南はあえてダブルエースを除き、ボランチを担う奥野 耕平の名を挙げたい。昨季は途中出場が中心だったが、今季はここまで2戦ともフル出場。本人も開幕から「スタメンで出る楽しさ」を話し、前節はチームNo.1の総走行距離を記録して勝利に貢献した。対する浦和は、やはりマテウス サヴィオにスポットライトを当てたい。京都戦では総走行距離がチーム2位、スプリント回数は同1位と、オフ・ザ・ボールでのスタッツも目に留まる。積極的にボールへ絡む姿勢で今節もチームを活性化させたい。
湘南を率いる山口 智監督は、前節終了後のインタビューで「2連勝はうれしいですけれど、(次節以降も)謙虚に迎えたい。今日は喜んで、次の準備をして、連戦に向けたチーム作りをしていきたい」と、勝って兜の緒を締める。試合当日の夜は肌寒い気候が予想されるが、ピッチで繰り広げられるのは、必ずや“熱い”戦いだ。
[ 文:河合 萌花 ]
