横浜FMは直近の第4節・湘南戦は1-1で引き分けた。前半、セットプレーから植中 朝日のゴールで先制したものの、後半、守備の乱れを突かれて失点。その後はボールを握る中でも決定機を多くは作れず、痛み分けに終わった。
湘南戦までのリーグ戦4試合では、守備こそソリッドなものの、攻撃の形を作れない問題が表出していた。ただ、上海海港とのACLEラウンド16の2試合に限れば、その課題が解消された。第1戦、第2戦とも上海海港がリスクを冒して前に出てきた側面はあるものの、昨季とは異なる形で縦への意識を強め、チャンスクリエイト。「攻撃へのつなぎもだいぶ良くなり、チャンスも徐々に増えてきた」(スティーブ ホーランド監督)と、第1戦、第2戦ともに危なげなく勝ち切り、結果を得たことで自信を得た。
ただ、国内では対策されてうまくスペースを活用できず、攻撃の構築に苦労しているだけに、そのパフォーマンスを国内の戦いにも転化できるかが今節の焦点となる。G大阪は上海海港と同様、前線からハイプレスを掛けてくる時間帯もあるはず。そこで、リスクとリターンのバランスを見極め、G大阪の質を上回る縦への推進力の発揮や攻撃のスイッチを入れられるかが、攻撃の成否を握ることになる。
対するG大阪は“大阪ダービー”となった開幕戦を落としたショックを引きずらず、第2節・福岡戦で今季初勝利。岡山との第3節は0-2で敗れたが、東京V、清水と対戦した直近2試合は連続で“ウノゼロ”を達成した。宇佐美 貴史、中谷 進之介という攻守のキーマンを欠いた中での連勝劇となり、チームの総合力とボトムアップを感じさせる内容だった。
清水戦後、ダニエル ポヤトス監督はこう語った。「ゴールを決めることが難しい試合になると思っていた。後半は耐える時間帯がかなりあったが、段々とコントロールできた試合だった」。
まさに攻守がかみ合った中での会心の勝利を得た上に、朗報もある。今節から中谷 進之介が復帰できる可能性があり、この連勝の立役者となった満田 誠に加えて役者もそろいつつある。
そして、このカードは昨年度の天皇杯準決勝と同じ顔合わせで、後半アディショナルタイムに追いついたG大阪が劇的な逆転勝ちを飾った経緯がある。横浜FMは『TRICOLORE REVENGE』と銘打ち、リベンジマッチと位置づけるだけに、トリコロールと青黒のプライドがぶつかる好ゲームが期待できそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]

