横浜FMは前節、アウェイで浦和と対戦し、スコアレスドローに終わった。前半の見せ場は序盤にアンデルソン ロペスが迎えた決定機ぐらい。浦和の戦略的なポジショニングや中盤の伊藤 敦樹の強度に大いに手こずった。後半はさらに後手に回る時間帯が長くなったが、ウイングを交代してからカウンターを軸に反撃。しかし、ネットを揺らすまでには至らなかった。
得意な場所ではない埼玉スタジアム2002から最低限と言える勝点1は持ち帰れたのは救いだが、ビルドアップの精度向上という課題を露呈した。個の技術的な問題でのロストが目立った中、いかに個人戦術を修正できるかがポイントだろう。「自分で解決できる部分が多い。自分がミスしなければ、チャンスを作れた場面が多くあった。そこにフォーカスしていきたい」と西村 拓真。その西村はハムストリングの負傷からの復帰戦だったことを考えれば、さらなるコンディションの上昇は見込めそうだ。
ケヴィン マスカット監督が指摘したのは、安定感の重要性。「できる限り波を小さく、良い状態をどれだけ継続できるか。浦和戦の前半は自分たちのサッカーができていたが、後半にパフォーマンスが落ちた。90分間の中でいかに波をなくすかが大事になる」。そのためには流動的なポジショニングのすり合わせや状況に応じたプレー判断の共有も欠かせない。今週、選手間でプレスのタイミングや立ち位置についても確認し合ったようで、松原 健は「ディスカッションはできている。1つずつ課題をクリアし、頭をクリアにしながら次の試合に切り替えてやっていくしかない」と言い切った。
対するG大阪は3連勝中かつここ8戦無敗。一時は残留争いに身を置いていたが、ぐんぐんと順位を上げ、危機的状況を脱した感がある。アウェイでの前節・川崎F戦では2点のリードを追いつかれながら、後半アディショナルタイムにダワンが劇的な決勝点を奪って勝ち切る無類の勝負強さを見せた。前節こそ3失点したが、元日本代表のGK東口 順昭が先発に定着した5月中旬以降に守備が安定したことが、復調の大きな要因となっている。
スコアラーのチーム内トップ3にはダワン(6得点)、ファン アラーノ(6得点)、イッサム ジェバリ(5得点)が名を連ね、外国籍選手のポテンシャルを最大限に引き出す戦い方も功を奏している。横浜FMは特殊な組み立てを講じてくるだけに、攻撃のパワーを維持しつつ、3トップとインサイドハーフの2枚が守備のタスクをどれだけ遂行できるかが4連勝へのポイントとなりそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]

