今季の序盤戦はお互いに下馬評を覆す時間を過ごしているのかもしれない。湘南はここ数年残留争いをしていたイメージから一転、クラブ初となるトップカテゴリーでの開幕3連勝を飾ると、その後の難しい試合でも勝点を持ち帰って戦績を3勝2分としている。一方の神戸は、開幕から故障者を複数抱えている状況の中、ここまで勝ち切れぬまま3分1敗。3月12日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ラウンド16第2戦・光州(韓国)戦も延長戦の末、0-3と敗戦を喫した。
そもそも神戸は2月8日に行われたFUJIFILM SUPER CUP・広島戦を皮切りに、すでに公式戦9試合を戦っている。また、右SBの酒井 高徳が右縫工筋肉離れで戦線を離脱し、中盤の井手口 陽介、FWの武藤 嘉紀も一時負傷が報じられるなど、ベンチワークの面でも苦戦を強いられた格好だ。
3月3日にはグスタボ クリスマンをCDサンタ・クララより、5日にはエリキを町田より期限付き移籍で獲得しており、クラブもこの苦境を乗り越える術を模索している。ただ、12日にACLE敗退が決まったため、ここからしばらくはリーグ戦に集中できる。
一方の湘南は、直近の公開練習で複数のケガ人が元気な姿を見せ、舘 幸希が「ちゃんとリハビリができて、チームの状態も良いので、自分がプラスαをもたらせるように準備してきた」と話すなど、結果が出ていることが好循環をうかがわせる。ここ2試合はどちらもドローだったが、前々節・横浜FM戦では先制をされたところから石井 久継のゴールで追いつき、前節・FC東京戦はGK上福元 直人のスーパーセーブでゴールを阻止するなど、個の活躍が勝点の積み上げに貢献している。
キャプテンマークを巻く鈴木 章斗は、今節について「どの相手でも意識することは変わらないですけど、去年は(神戸との)差を感じたので、どこまで成長できたのかを試せる場所でもある」と位置づける。畑 大雅も「(神戸は)いま調子が悪いですけど、力のあるチームだと思いますし、そういうチームに対してしっかり勝ち切るというのが自信につながってくると思います。負けももちろんないですし、引き分けでも満足ができないので、しっかり勝つというところにフォーカスを置いて良い対策、良い準備をしていきたいです」と勝点3への意欲を燃やした。
白星を渇望するのは、神戸のほうなのかもしれない。2位の湘南と対戦する今節、1位の鹿島とぶつかる次節で勝利を収めることができれば、波に乗れるだろう。
湘南はそんなに相手との一戦に対し、『超えろ』というキャッチコピーをつけて試合告知を行っている。湘南は昨季、J1第9節で後半アディショナルタイムに武藤 嘉紀が挙げたゴールに屈し、最終節ではシャーレを揚げる姿を目の当たりにした。高い壁を乗り越えることは、そう簡単には許されまい。だからこそ、超越への執念に目が離せない一戦となる。
[ 文:河合 萌花 ]
