3月12日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ラウンド16第2戦・光州(韓国)戦から遠征が続いた神戸。同16日の明治安田J1第6節・湘南戦を皮切りに、4月6日の国立競技場でのホームゲームとなった第9節・新潟戦を含めてここ5試合は関東圏での試合をこなしてきた。
ノエスタでの試合は3月5日のACLEラウンド16第1戦・光州戦までさかのぼり(※ACLEラウンド16第1戦・光州戦は神戸市御崎公園球技場の名称で開催)、リーグ戦は3月1日の第4節・福岡戦以来。ひさびさの“聖地”での一戦を前に、負傷した開幕節以来のノエスタでの試合となる酒井 高徳は「きっと僕ら以上にサポーターが待ち侘びたと思うし、その期待にしっかり応えたい。ヴィッセルらしいサッカーを存分に出せれば」と集中。鍬先 祐弥も「攻めているときも守っているときも自然と(サポーターの姿が)目に入るし、後押ししてもらっている感覚がすごくある。自分たちの良さを出せれば勝てる」とノエスタでの勝利を目指して闘志を燃やす。
直近の神戸は勝ちと負けが交互に続く、波に乗り切れない状況。ただ、1-0で勝利を収めた直近の第10節・東京V戦は球際のバトルやこぼれ球の回収など、90分にわたって高い集中を維持し、神戸らしく前で勝負するスタイルを貫いた。負傷離脱から復帰後、トラップ1つから前にアクションを起こすなど“神戸らしさ”を体現してきた酒井 高徳は言う。
「良いボールだろうと悪いボールだろうと、前を選択しないとヴィッセルの攻撃は始まらないというのが僕の中で絶対条件。前を見なくなったらどんなベースの話をしたところで意味がない。それを気づかせたいというか、自分は前を見るから、前の選手はミスしてもいいからとにかく動けと。自分も“前に行って、前に行って”を出すことで少しでもみんなの自信だったり、目線だったりがポジティブに変わってくれればと。自分がいない時間に感じていたことで、戻ったらそれはやろうと意識していた」 神戸らしさを再確認し、今節へ臨戦態勢を整えるホームチーム。その一方、アウェイに乗り込む川崎Fは今季ここまで上位争いを演じている。
10試合を終えてわずか1敗しか喫しておらず、3位と安定した戦績を残している。現在は7連戦の真っただ中にあり、今節はその6試合目。直近3試合はすべて引き分けだが、メンバーを入れ替えながらも安定したパフォーマンスを見せていることは特筆すべきだろう。4月9日の第5節・横浜FM戦では、その直近の第9節・町田戦から9名の先発を入れ替え、さらに4月12日の第10節・清水戦は、横浜FM戦から8名の先発を変更。チーム全体の底上げが進んでいるとの見方もできる。連戦の終盤に差しかかった中、出場するメンバーの奮起が期待される。
両チームともにクオリティーの高いタレントが豊富にそろっており、攻守の切り替えや球際の強さなどサッカーのベースとなるところで後手を踏めば試合の流れを失うことは確実。一瞬のスキさえ許されない、激しい90分が待っている。
[ 文:小野 慶太 ]
