川崎Fは第19節・新潟戦から5試合連続で引き分けるなど勝ち切れない試合が続き、思うように順位を上げられなかったが、中断前最後の前節・柏戦はアウェイながら3-2で勝利。4試合連続で追いつかれての引き分けとなっていた中、この試合でも2点のリードを一度は追いつかれた。ただ、79分にキャプテンの脇坂 泰斗が決勝ゴールを奪取。7試合ぶりに勝点3を得て、中断期間に入ることができた。
中断期間では柏戦の翌日にファン感謝デーを開催したあと、まずは体や頭をリフレッシュするために長い休暇を過ごし、先週は「全員で守って全員で攻めること、パスも質へのこだわり、どんどん自信を持ってボールを受ける、判断を早くする」(鬼木 達監督)といった基礎的な技術や意識の向上を図った。
中でも一般・メディアに公開された7月30日のトレーニングは、選手たちから声がよく出ていた上に強度も高く、活気ある雰囲気で行われていた。なかなか勝てなかった期間もチームの雰囲気は決して悪くなかったため、選手たちは勝てなかった理由を明確に説明できない様子だったが、勝利を収めて中断期間に入れたこと、リフレッシュできたこと、ケガ人が戻ってあらためて競争が始まったこと、そして再開後に向けた意気込みなど、あらゆる要素がチームを前向きにしていることは間違いない。
その状況で迎える神戸戦。前年王者であり、前半戦で悔しい思いをした相手だ。特に5月以降、勝ち切れない試合が多い中でも、内容では上回る時間帯が少なくない。勝っていても不思議ではない試合も多かったが、6月に行われた神戸戦は、先発出場した佐々木 旭が「個人的には何もできずに完敗だった」と言えば、途中出場だった山田 新も「ボロ負けしてもおかしくない試合だった」と振り返る。
だからこそ、中断期間の成果や残り14試合への意気込みを示すには良い相手だと言える。前回対戦で「完敗」した原因である運動量や強度をしっかりと出しつつ、試合を重ねるごとに、つまり前回の神戸戦からは確実に向上している攻撃の質を発揮することが今季初の連勝を挙げるポイントだ。
一方の神戸は5戦負けなしではあるが、2試合続けて引き分けて中断期間に入った。追いついて勝点1を得た前々節・札幌戦。90+3分に決勝点を奪ったと思いきや、90+10分の失点で勝点1となった前節・名古屋戦。その勝点にどんな意味を持たせるかは、再開後初戦となるこの試合に懸かっている。また、勝点7差の首位・町田に食らいつくために、アウェイといえども勝点3が欲しい。
前回対戦時同様、ハードワークをベースとしながら、川崎Fの指揮官やキャプテンも警戒する前線の大迫 勇也や武藤 嘉紀が躍動すれば勝機は十分だ。
日本では酷暑、パリでは五輪が続く中で再開するJ1。U等々力でもそれぞれが目標に向けた気概を見せ、“夏のJは熱い”といわんばかりの戦いを見せてくれることに期待したい。
[ 文:菊地 正典 ]


