神戸は直近の第21節で鳥栖とホーム・ノエビアスタジアム神戸で対戦した。相手のビルドアップをハイプレスで制限し、整備されたゾーンディフェンスで相手にチャンスを作らせない。ボールを持てば長短のパスを駆使しながら攻めるなど、前半から主導権を握ることに成功した。
51分に先制点こそ許したが、そのわずか2分後に佐々木 大樹のラストパスを大迫 勇也が決めた。「サコくん(大迫)が早い段階で同点弾を決めてくれて、それが一番の決め手かなと思う」と盟友の武藤 嘉紀が称賛したエースの一撃で追いつくと、終盤には圧巻のロングカウンターが生まれた。
自陣ゴール前。相手のロングスローの流れからジェアン パトリッキ、武藤とつながる。大迫との巧みなワンツーでロングカウンターを仕掛けた武藤のシュートはGK朴 一圭のビッグセーブに遭ったが、カウンターに追走していたのは途中出場のジェアン パトリッキだった。
「今日の相手にはジェアンのスピードは間違いなく生きてくると僕らも分かっていた。どのタイミングで監督が使うのかは認識している。あのスピードは脅威だし、夏はさらに脅威になっている」 そう齊藤 未月が絶賛した神戸の切り札・ジェアン パトリッキがこぼれ球を押し込んで逆転。8分という長いアディショナルタイムでも鳥栖に反撃を許さず、今季初の逆転勝利を飾った。
新しい勝ち方を体現した中で、およそ1カ月ぶりとなる首位返り咲き。ただ、齊藤は「一試合一試合に向けて100%の準備をして、100%の力を出し続けること。そこにエネルギーを費やせるような準備を練習から全員で合わせてやっていくことが大切」と冷静だ。川崎Fは、初のリーグ制覇を目指す上で神戸が乗り越えなければいけない相手。心身両面をなお充実させ、本拠地のピッチに立つことになる。
一方、今季は2ケタ順位に甘んじるなど苦戦が続いてきた川崎Fだが、ここへ来て反撃の機運を盛り上げている。
3-0で快勝した第20節・横浜FC戦に続き、直近の第21節はアウェイで首位・横浜FMと激突し、白熱のタフバトルを展開。相手の流麗な崩しに対して集中力の途切れない連動した守備で応戦し、後半アディショナルタイムに車屋 紳太郎が執念の一撃を決めて、1-0で制した。
勝点を『31』に伸ばし、7位まで順位を上げてきた。横浜FM戦後には「このあとのゲームに必ずつなげていかないといけない。これで満足することなく、次はアウェイで神戸という強い相手なので、今日以上に気を引き締めて戦わなければならない」と話した鬼木 達監督。過去6シーズンで四度の優勝を飾ってきた川崎F。2試合連続で首位を撃破し、本領発揮のエネルギーとしたい。
[ 文:小野 慶太 ]
