そこに先手を打つ意味もあったか、マチェイ スコルジャ監督は22日の練習開始前、選手たちにこう訓示した。
「自信を持っていい。しかし自信過剰にならないように。メディアは浦和を称えていると思うが、そこには良い側面も負の側面もある。謙虚でいよう。われわれの目指すところを考えるとまだまだだ」 現時点のベストメンバーと戦い方が定まってきたということは、相手の研究が進むことでもある。ここからが正念場だ。第10節・町田戦からの3連戦を3連勝で乗り切ったものの、今節も中4日と連戦に近い日程となる。スタメン組の疲労は気になるところだが、マチェイ スコルジャ監督は好調のメンバーをあまり替えたくないだろう。
スタートの11人を支える“サブ組”も充実している。松本 泰志、原口 元気、関根 貴大らはリードを守り切る役割を連続して完遂中で、前節・横浜FM戦では二田 理央も気を吐いた。戦列を離れていた中島 翔哉、チアゴ サンタナ、髙橋 利樹らも全体練習に復帰しており、メンバー入り20名の枠を巡る競争はますます熾烈になっている。競争を経て、より結束していく必要がある。
「ワンチームは11名を指す言葉ではなく、メンバー外選手の姿勢も含む。スタメンの11人はもちろんうれしいだろうし、ほかの選手はそうではないと思うが、満足していないからといって悪い雰囲気を作ると成功はない。全体でワンチームになるしか成功はない」(マチェイ スコルジャ監督) 今季から浦和に加入した松本 泰志は、「どれくらいプレッシャーがあるのか、プレスがどれだけ速いのか。紅白戦くらいしかやったことがないのですごく楽しみ」と今節の古巣戦について語るが、そのプレッシャーをどういなすかが試合の大きなポイントになるだろう。
ハイプレスチームは“スコルジャ・レッズ”の苦手とするところだが、松尾 佑介という飛び道具とサミュエル グスタフソンのゲームコントロールをもってすれば逆用することも可能だろう。個と組織とで、どれだけ広島を裏返すことができるかの準備と実践に期待したい。
一方の広島は2連敗中と失速気味。開幕から上位をキープしてきたものの、前節・名古屋戦の敗戦により今季初の2ケタ順位に転落してしまった(消化試合は『10』と1試合少ない)。負傷者続出の影響もあるだろう。
ベテランDF塩谷 司は前節の試合後、「自分のところでの2点(2失点)なので、本当にみんなに迷惑をかけた」と自身のパフォーマンスを悔いつつ、「ちょっとケガ人が増えていますけど、チーム全体で戦っていくしかない。自分たちがやろうとするサッカーをもう1回振り返って、立ち返ってやるべきだと思う」と再起を誓った。こちらも踏ん張りどころだ。
浦和はホームゲームで広島に直近5戦負けなしとなっており、昨季のJ1第36節も3-0と快勝。相性が良いという条件ではあるが、現状の勢いは近年の対戦時と対照的で、得てしてこういうときにデータは覆りもする。マチェイ スコルジャ監督の「謙虚でいよう」の言葉を意識して臨む必要があるだろう。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
