J1連覇中の神戸のホームに乗り込んだ前節、C大阪は45分にCKから失点を喫するも、直後に上門 知樹のシュートで同点に追いついて試合を折り返す。58分にルーカス フェルナンデスと中島 元彦を投入して攻撃のギアを上げ、83分、柴山 昌也のシュートで逆転に成功。終盤は[6-3-1]の布陣で守ると、90+6分、鮮やかなカウンターから最後はラファエル ハットンがトドメの一撃。負傷者続出でベンチメンバーが1人足りない苦しい状況の中、総力を結集させて大きな1勝をもぎ取った。前々節の京都戦でも2点を先行される苦しい展開の中、古山 兼悟のプロ初ゴールも含めて前半のうちに同点に追いつくと、後半に中島 元彦のゴールで勝ち越しに成功。13年ぶりとなる2点差からの逆転勝利を収めた。
「選手一人ひとりに『チャンスが回ってきたら、いつでも出られる準備はしておけ』という声はかけていました」と前節の試合後に話したアーサー パパス監督だが、直近2試合は古山 兼悟、上門 知樹、柴山 昌也、喜田 陽、髙橋 仁胡ら、これまでのリーグ戦では控えに回ることが多かった選手たちが先発で躍動(※柴山 昌也は途中出場)。チーム全体の底力を示した。システムもそれまでの[4-3-3]や[4-2-3-1]ではなく、3バックを採用。アンカーを務めていた田中 駿汰の負傷によることと、CBの負担を軽減する意味もあったと指揮官は説明したが、決して付け焼き刃ではない機能性を発揮した。もっとも、システムにかかわらず「アウェイで2試合続けて3点を取れたということは、攻撃的な姿勢も発揮できています」と指揮官も胸を張ったように、攻撃的なメンタリティーをなくしたわけではない。守備はやや重くなったとはいえ、後ろからつなぐ姿勢は変わらず、相手を引き込んでのカウンターは鋭さを増している。今節はどのようなメンバー、戦い方で挑むか。指揮官の選択に注目したい。
アウェイに乗り込む横浜FMは新指揮官の下、リーグ戦がなかったこの期間で修正し、積み上げてきたサッカーをぶつける最初の一戦。連戦が続くC大阪に対し、コンディションでは優位に立てるだけに、走力でも上回りたい。最下位という難しい状況でバトンを受けたパトリック キスノーボ新監督だが、「私の目標は、魅力的で競争力のあるサッカーをするだけではなく、皆さんが大切にしている価値観を体現できるチームを育むこと。チームとそれを支えるマリノスファミリーとの強い結びつきを築きながら、成功を目指していきたい」と熱く所信表明。当面はJ2降格圏からの脱出に力を注ぐことになるが、長い目でチームの成長も促していきたい。その第一歩となる今節。どのような戦いを見せるか、横浜FMサポーターならずとも注目だ。
[ 文:小田 尚史 ]


