名古屋が復調傾向にある理由の1つは守備の安定。13試合を消化した時点での失点数は『23』と1試合2点近くの失点を喫していたが、直近4試合は計2失点のみ。しかも前節・福岡戦(1△1)は後半アディショナルタイムに入るまで無失点で抑えていた。90+5分に個人のミスから悔やんでも悔やみ切れないゴールを奪われ、勝点も『3』から『1』に減らしてしまったが、その場面を除けば決して守備が悪かったわけではない。
順位も再び降格圏に下がり、長谷川 健太監督は忸怩たる思いもあったはずだが、「セットプレーも含めてしっかりはじけるメンバーを入れたが、最後の時間でしっかりクローズできるようになってくればと思っている。これも試練だと捉え、引き続き選手たちとともに勝点3に向けて戦っていきたい」と前向きな言葉を並べた。確かに今後こういった試合をなくすために何をするのか、自分たちにベクトルを向けて進んでいくことが大事である。
その意味では、ポイントは2つ。“90分”ではなく試合終了のホイッスルが鳴るまでの集中力やリスク管理に対する判断、チーム内での共有を進めること。そして複数得点を奪う力を身につけること。先に述べたように失点数は改善傾向だが、得点数は直近4試合で5点とそれ以前(13試合で14得点)と大差はない。前線で体を張れる山岸 祐也がケガから復帰し、前々節・京都戦ではようやくフル出場。得点能力の高いキャスパー ユンカーも前節で7試合ぶりにベンチ入りを果たすなど、負傷者が続々と戻りフルメンバーで戦えるようになってきた。彼らセンターFW陣にゴールが生まれると、夏の積乱雲のようにもくもくとゴールが湧き上がってくるだろう。
対する浦和は、直近3試合中2試合が引き分け。名古屋と同様にドローが多い直近数試合だが、こちらは勝点を失っていてもおかしくない試合を引き分けに持ち込んだというポジティブなものである。水曜日に行われた直近の第13節・川崎F戦も、1点のビハインドで突入した後半アディショナルタイムに怒とうの攻撃を見せ、最後は大久保 智明が押し込んで追いついた。その前の第17節・FC東京戦も90+3分に逆転ゴールを決めており、執念を見せる結果となっている。後半の失点が多い名古屋としては試合の締め方も考えなければならない。
ただ、浦和は中2日というハードスケジュール。気温どころか湿度が急激に上がっており、コンディション面には不安が残る。選手層は厚いとはいえ、激闘が続いているだけに、それがどう影響するのか。チームの総合力が問われる連戦となるだろう。
過去のリーグ戦での対戦成績は名古屋の32勝9分25敗ながら、現在は浦和が3連勝中。今節はどちらかが決勝点を奪うのか、それとも互いに譲らずドローとなるのか。特にホームの名古屋としては是が非でも勝点3が欲しい試合である。
[ 文:斎藤 孝一 ]
