「アグレッシブさやダイナミックなパワーが欠け、チャレンジは9割ほど負けていたと思います。長いブレイクのあとはゲーム勘に難しさがありますが、本日の敗戦によりそこが修正できればと思います」(マチェイ スコルジャ監督) 「立ち上がり以外の前半はかなり良かったのではないかと思います」(マチェイ スコルジャ監督)との言葉どおり、すべてが悪かった試合ではなかった。序盤は左サイドを中心にビルドアップの出口を作り、FC東京のプレスを回避して前進。得点シーンはいずれも、意図した攻撃の流れからだった。
しかし、クラブワールドカップを終えたことによる燃え尽き症候群なのか、実戦から遠ざかっていたことによるゲーム勘、ゲーム体力の欠如なのか。はたまたマテウス サヴィオと渡邊 凌磨の配置を入れ替えた影響か。浦和は次第に、強みであったはずの組織守備を発揮できなくなり、“個”でも上回られる場面が増えていった。選手交代でさらに流れが悪化し、防戦一方となっていったことで最後に決壊。結果論でもあるが、再逆転される確率が跳ね上がっていたのも事実だろう。
この試合では6月に新加入の小森 飛絢が浦和デビュー。記録上はシュート0本に終わったものの、動き出しやポストプレーで得点に関与した。今後に期待を抱かせるプレーを披露したことは、敗戦の中の光明となった。
今節・湘南戦と、その4日後に行われる第23節・福岡戦は連戦で迎えることになるが、もともとマチェイ スコルジャ監督体制は競走馬でいうところの“叩いて良化”タイプな面がある。試合後、主将の関根 貴大は「良い意味で準備できないので、考え過ぎずにできれば」と語り、松尾 佑介も「すぐに切り替えて忘れるのも能力の1つだと思うので、すぐ次に向かっていけたら」とコメント。メンタル的には次戦への準備を整えていた。
一方の湘南は、天皇杯3回戦・清水戦を含めて公式戦3連戦の3戦目。今節のあとは中断期間に入る。J1では2カ月以上白星がない状態だが、直近の第24節・C大阪戦は89分に追いついて勝点1を奪取。山口 智監督も「勝ちにつなげられなかった残念さはもちろんありますけど、追いついて勝点1を取った。ポジティブに捉えたい」と前を向いた。
その試合で1ゴールを挙げた鈴木 章斗は「最近はなかなか複数得点を取れていなくて、それが取れた試合で勝てなかったというのはすごく悔しい」と振り返ったが、最後に勝利した第16節・東京V戦以来の複数得点だったことは次につながりそうでもある。
お互いが3失点を喫した直後ということもあり、守備をどう立て直してくるのかも注目ポイント。そして浦和にとっては、日本に戻ってきてからのホーム“復帰戦”でもある。クラブワールドカップから続いている試合展開と結果から是が非でも脱却したい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
