15位の名古屋。スタートダッシュに失敗し、一時は浮上しかけたものの、7月20日に行われた明治安田J1第24節・横浜FM戦で0-3と大敗を喫すると、そこから4連敗。再び残留争いに足を踏み込んでしまった。
前節・岡山戦で7試合ぶりに勝点3を奪ってトンネルは抜けたものの、まだまだ予断を許す状況にはなく、今節・湘南戦、次節・新潟戦と続く下位との直接対決はまさに残留に向けた勝負どころ。相手をゼロポイントに抑えて、いち早く安全圏に逃げ込みたい。
名古屋は、いったんリズムを崩すと立ち直るのに時間がかかることは今季の戦いを見れば明らか。特にホーム戦の今節は、前節で生まれた“勢いの欠片”を失わないためにも勝点3をつかみたいところである。
もちろん18位の湘南にとっても勝点3が是が非でも欲しい試合だ。それにより降格圏から抜け出せる可能性もあり、降格圏との勝点差を広げた名古屋を再び引きずり込むことにもつながる。現在13試合連続未勝利と苦しい戦いが続いているだけに、なおさらこの名古屋戦に懸ける思いは強いだろう。このアウェイ戦を1つのきっかけにしたい。
試合のカギを握るのは言わずもがな先制点になるだろうが、名古屋としては右ウイングバックに誰を起用するのかも注目ポイントだ。6試合連続先発中の現役高校生・森 壮一朗はFIFA U-20ワールドカップチリ2025に出場するため、今節からチームを離脱。ベテランで高さのある野上 結貴の起用や、最近の試合では左ウイングバックを務めている中山 克広を右に移す可能性に加え、トップ下を務めている和泉 竜司をどちらかのウイングバックで使い、ボランチでの出場が続いている森島 司を1列上げる手もある。長谷川 健太監督が湘南に対してどういうサッカーをしていくのか、左右のウイングバックの人選で展開も変わっていくだろう。
そして名古屋にとって心強いのが、キャスパー ユンカーの出場停止が明けること。今季はケガもありまだ1ゴールしか取れていないが、コンディション的には十分に上がってきており、試合に出れば得点機を何度も作っている。ゴール前での微細な感覚さえ戻せば得点を量産できる可能性は高く、ラストスパートのキーマンになり得る存在である。
対する湘南のポイントは、やはり守備。総失点50はリーグワーストであり、前節・鹿島戦は3失点、前々節・G大阪戦は5失点を喫している。その間にあったJリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準々決勝・広島戦でも2戦合計6失点。この守備をすぐに立て直さなければ、得失点差という意味でも大きなハンディキャップとなってしまう。ゴールを奪う力はあるだけに、どれだけ守備で集中できるか。それを体現した上で、アグレッシブにプレスを仕掛けてくる名古屋の背後を鋭く突く場面を作りたい。
前回の対戦では2-1で湘南が勝利を収めている。この重要な“シックスポイントマッチ”は名古屋がリベンジを果たすのか、湘南がシーズンダブルを達成するのか。はたまた両チーム勝点1の痛み分けとなるのか。J1残留を懸けた大きな山場である。
[ 文:斎藤 孝一 ]
