今季は好不調の波がある名古屋。明治安田J1では第14節・FC東京戦から2連勝のあと、前々節で下位の京都と引き分け、前節は川崎Fに負けと、思うように勝点を伸ばすことができていない。代表ウィーク中に行われた柏とのJリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンドは1勝1分でベスト8への進出を果たしたものの、天皇杯2回戦では北信越リーグ1部のJAPANサッカーカレッジにまさかの敗北を喫した。
その天皇杯、先発は若手が主体で、前半はボールを保持することはできても積極的な攻撃が見られずに無得点。迎えた後半は51分に先制点を奪われてから一挙にレギュラー組を投入したものの、決定機はわずかしか作れず、残り15分ほどからはパトリックの高さを狙った攻撃に終始。結局パワーだけでは崩し切ることができず、ノーゴールに終わった。
屈辱の敗戦から中3日で迎える今節はリバウンドメンタリティーが試される試合。落胆させたサポーターのためにも勝利が必須となる。
ただ、少々不安な面もある。ルヴァンカッププレーオフラウンド第2戦で、FWの永井 謙佑とキャスパー ユンカーが負傷により交代。ほかのポジションもDFの河面 旺成とMFの和泉 竜司が肉離れで、同じくMFの小野 雅史が左ひざの前十字じん帯断裂で離脱中だ。それに加えて、天皇杯では内田 宅哉が脳震盪の疑いで交代していて今節は出場できそうになく、チームは野戦病院化している。特に和泉と内田は複数のポジションを任せられる選手で、どこかにしっくりこないポジションがあっても、彼らがそこに収まることで問題は解決していた。その2人がともにいない今節、指揮官はあらゆるシチュエーションを想定して、いつも以上にベンチに入れるメンバーを厳選しなくてはならないだろう。
そして注目したいのは、スターティングメンバーがしっかりと試合を作れるかどうか。前半がうまくいかずにリズムに乗れないと、後半にいくらメンバーが代わってもうまくいかないということは、天皇杯で得た大きな教訓だった。まずはしっかりと試合を作ること、そして先制点を奪えたら一番良いが、失点しても焦らないこと。ベンチスタートの選手はいつも以上にピッチにインパクトとエネルギーを与えること。そしてもちろん最良の結果を得て上位争いにしがみつきたい。
一方、18位からの巻き返しを狙う湘南はリーグ戦では2連敗中だが、同じく週中に行われた天皇杯2回戦では甲南大を相手にしっかりと3-1で勝ち切った。
37分に山田 直輝が先制点を奪うと、後半立ち上がりの49分に追いつかれて苦しい展開になる。しかし、79分に投入されたルキアンがその1分後にネットを揺らして2-1とすると、終了間際にも追加点を奪う活躍。交代選手がその役割をしっかりと遂行して試合をまとめ上げた。
J1チームの天皇杯初戦はうまくいかないことも多々あるが、湘南は底力を見せた格好。この勢いをリーグ戦にもつなげ、まだ半分以上の日程は残っているものの、早めに降格圏から脱出しておきたいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
