より勝たなければいけない立場なのは川崎Fのほうである。首位・鹿島とは10ポイント差であり、柏とも5ポイント差。残り試合が今節を含めて7試合と考えれば、もう落とせる試合は1つもない状況だ。
今季初の3連勝で迎えた前々節・FC東京戦は、インテンシティー高く戦ってきた相手の前に攻撃陣が沈黙。0-1と痛い敗戦を喫してしまったが、そこから中2日で行われた前節・湘南戦はしっかりと立ち直った姿を披露し、28分の脇坂 泰斗と80分の伊藤 達哉のゴールで勝利。2-0としたあと、セットプレーから失点を喫したことは課題だが、連敗をせずになんとか優勝争いに生き残った。
今節はここまでチームトップの11ゴールを挙げているエリソンが出場停止となる。爆発的なパワーと決定力を誇るストライカーの不在は痛手だが、23日に38歳の誕生日を迎えたばかりの小林 悠や、夏の加入ながらすでにチームにフィットしつつあるラザル ロマニッチがいる。個性は異なるだけにエリソンと同じ仕事を求めることは難しいが、十分に力のある選手たちだけに不安はないだろう。むしろ、ビルドアップに特徴がある柏に対して、ボールを握られる時間が増えることも予想されると考えれば、小林 悠やラザル ロマニッチのほうが献身性で優れている部分もある。
また、この試合においてもう1人、注目選手として欠かせないのは、伊藤 達哉である。柏のアカデミーで育ち、トップチームには昇格せずにそのまま海外に渡ったドリブラーにとっては二度目の古巣戦となる。明治安田J1第2節の前回対戦(1△1)は、伊藤 達哉にとってJリーグデビューの舞台となったが、そこまで力を発揮できたとは言えなかった。ただ、そこから半年以上が経ち、チーム内での立場もJリーグでの注目度も激変。いま、最も旬の選手と言っていい。
前々節で公式戦の連続ゴールは『6』で止まったが、前節で決勝点をマークし、好調は維持している。さらにそのゴールは今季9点目で、2ケタ得点に王手。柏相手に決めたい思いは強いはずである。
対して、アウェイの柏は、5戦負けなし中で首位と5ポイント差の位置にいるが、現在は3試合連続で引き分けと勝ち切れない試合が続く。そのうち2試合がスコアレスドローであり、残りの1試合も1-1と少し得点から遠ざかってしまっている。その現状の打破が今節のポイント。4試合ぶりの勝利をつかむためにも攻撃陣の奮起が求められる。チームトップタイの7得点を挙げている日本代表FW細谷 真大や、前回対戦でゴールを決めている小泉 佳穂などに期待したい。
[ 文:須賀 大輔 ]


