アウェイ2連戦を経てホームに戻る川崎Fは、「ここが重要」(鬼木 達監督)とチームの意思をそろえて臨んだ5月、まずは明治安田J1第11節・浦和戦の3-1での勝利から2勝1分とまずまずの成績を続けたものの、前々節・鳥栖戦、前節・G大阪戦と連敗を喫してしまった。アウェイでの連戦と条件は厳しかったが、勝点を伸ばせなかったことは痛手にほかならない。
ただ、鬼木監督は「どれだけ離れても最終的(な目標)が優勝ということは変わらない」と断言する。
優勝を目指すことは、「当たり前になっていかないと、それ相応の温度感やそれ相応の強度になる。分かりやすい目標をどれだけ本気で意識できるかということが、局面局面の戦いにつながっていく」(上福元 直人)ことにもなるが、目標を下方修正しない理由は、川崎Fらしい攻撃でゴールを奪える回数が増えていることも理由に挙げられるだろう。
バフェティンビ ゴミスがスタメン出場した浦和戦、第13節・札幌戦もそうだが、G大阪戦もポジションは関係なくあらゆる選手が攻撃へ関与し、連動して完全に相手の守備を崩し、最後は右ウイングの家長 昭博がペナルティーエリア内で左足から芸術的なループパスを送り、右SBの瀬川 祐輔がゴール前でヘディングシュートを決めた。一連の流れは実に川崎Fらしく、「いろいろなチームができるかと言ったらそういうものではない」(鬼木監督)と胸を張れる攻撃だった。
その後、流れが悪くなって逆転を許したことも事実であるが、シーズン序盤から思うように結果が得られない戦いが続く中、自分たちが目指すべき方向を具現化できたことは前向きな要素。3試合ぶりのホームで川崎Fらしい攻撃の回数を増やし、川崎Fらしく勝利することを目指す。
アウェイの柏は、第13節で上位のFC東京を相手にアウェイで勝点1を持ち帰ったあと、前々節から湘南、札幌と下位からホームで確実に勝点3を取り、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに乗り込む。
チームとして狙いとすることもあるが、昨季から続く組織的な守備をベースに、ここ2試合続けて後半アディショナルタイムの決勝点という勢いに乗る勝ち方をしていることもポジティブな要素だろう。AFCチャンピオンズリーグに出場していたため、JリーグYBCルヴァンカップはプライムラウンド準々決勝からの登場となる川崎Fとは異なり、柏は22日に1stラウンド3回戦で福岡と対戦し、連戦となる中、直近のリーグ前節・札幌戦から先発10人を入れ替えて勝利したこともまた、チームが勢いに乗れる要素となるはず。
また、局面の戦いを見れば、川崎Fの高井 幸大、柏の細谷 真大の対戦に注目だ。先日AFC U23アジア杯で優勝を果たし、U-23日本代表のパリ五輪出場を決めた2人。CBとストライカーとして直接マッチアップする機会も多そうだが、激しいバトルを繰り広げてくれることだろう。
両者の直近の対戦は、昨年度の天皇杯決勝。内容に関しては鬼木監督も「完敗だった」と認めるが、PK戦を制してタイトルを手にしたのは川崎Fだった。川崎Fは同じ結果を望みながら、まったく異なる内容になることを期している。一方の柏は何より結果でリベンジを果たしたいだろう。天皇杯決勝以来の対決ということも含め、熱を感じる戦いが見られそうだ。
[ 文:菊地 正典 ]


