湘南と新潟は、互いに前節でJ2降格が決定した。
19位の湘南は前節、アウェイで福岡と対戦し、終盤にPKを献上。PKストップを得意とするGK真田 幸太もこの決定機を阻止することができず、敗戦後は仲間とともに涙に暮れた。
20位の新潟は前節、試合前に降格が決定。その中でホームに神戸を迎えた。前半のうちに大迫 勇也にゴールを割られると、後半開始早々にも失点。0-2という苦しい状況に立たされたが、終盤に島村 拓弥と若月 大和がゴールネットを揺らして勝点1をもぎ取った。
両者とも長らく勝利から遠のいたことで、残留圏から大きく離されてしまった。ただ、シーズンはまだ終わっていない。だからこそ、“来季をJ2で戦う者同士の一戦”は、決意のリスタートとして大きな意味を持つ。
この試合をホームで迎える湘南は、FWの小田 裕太郎が福岡戦で左脛骨内果骨折を負い、戦線を離脱。一方で、中盤では田村 蒼生が長いリハビリ期間を経てピッチに戻ってきた。前節で途中出場を果たすと、「サッカー楽しいなって素直に思えた。すごく充実した時間だった」と回顧。さらに「自分の特徴はゴールに関わるところだと思っているので、ゴールはもちろん取りたい」との意欲をのぞかせた。
アカデミーから湘南で育ってきた石井 久継は「応援してくれているファン・サポーター・スポンサーの方々が一番悔しいと思う」と、いまの状況を悔やむ。そして「そういった方々は応援しかできないけど、僕たちはプレーできる」と気を引き締め、「残り3試合はそういった方々のためにしっかり戦って、複雑な気持ちはありますけど、勝利のダンスだったり、みんなでできる限り多く喜び合えたら」と意気込んだ。
新潟にも、湘南のトップチームでプレーした経験を持つ選手がいる。若月 大和だ。今季から新潟でプレーしている若月 大和は、桐生第一高時代にはJFA・Jリーグ特別指定選手として湘南に在籍。そこからシオン(スイス)への期限付き移籍を経て、2022年から翌シーズンまで湘南でプレーした。今節は“凱旋”の試合となる。
先に触れたように、前節ではその若月 大和が勝点1を呼び込む貴重な同点ゴールをマーク。これで湘南との勝点差は『3』に縮まり、仮に今節で新潟が勝利を収めると、得失点差の関係から両者の順位は逆転する。今節は1つでも上の順位で終えるためのターニングポイントだ。負けはおろか、引き分けでも満足できない。
“リスタート”を誓う両者の、勝利だけを目指した一戦が幕を開ける。
[ 文:河合 萌花 ]
