ホーム開幕戦を迎える町田は、横浜FMとの開幕節を3-2で制し、水戸戦の4日前にはAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ突破を決めたばかり。公式戦開幕連勝で町田はホーム凱旋を果たす。
前述の横浜FM戦も、直近の公式戦であるACLEリーグステージ第7節・上海申花(中国)戦も、離脱者を除いた主力選手が出場したため、水戸戦は“勤続疲労”の影響が否めない。それでも、横浜FM戦で2ゴールを奪取し、チームの勝利に貢献したエリキは例外。昨季在籍した神戸でACLEの出場実績があり、上海申花戦は出場不可だったぶんも、エネルギーが有り余っている。
「チームメートが勝って帰ってくることを信じている」と仲間にエールを送っていたエリキは、チームメートが期待に応えてくれたことを意気に感じているに違いない。また、コンディションがフレッシュなエリキは、2023年の水戸戦で2試合ともに得点を決めているため、“水戸キラー”と言っていい存在だ。3年ぶりの対戦でも、“お得意さま”を相手に猛威を振るうかもしれない。
対して、3年ぶりに町田GIONスタジアムへ乗り込む水戸は前節、東京Vとの“J1初陣”を1-3で落とした。年々凄みが増している森田 晃樹を中心とした東京Vのクオリティーに屈した開幕戦。J1で2年先輩の東京Vに“J1の洗礼”を浴びせられた飯田 貴敬は「J1で2年やっているだけでこんなにも差が生まれたのか……」と驚きを隠せなかった。
それでも、水戸というクラブは存続の危機からもはい上がり、地道に努力を重ねてきた結果、J2在籍26年目でJ1の舞台へとたどり着いた不屈の集団。突きつけられた厳しい現実からはい上がってこそ、水戸というクラブのアイデンティティー。大森 渚生は言う。
「個の部分で上回られてしまうと、ヴェルディ戦のような結果になってしまいます。ただ、全然下を向くような内容ではなかったですし、ここからはい上がっていくだけですね。僕たちはスター選手がいるチームではないですが、こうしてJ2で優勝したからこそ、いまはこの舞台にいます。そういう道のりを経てきたという自負はありますし、J1で結果を残すことも不可能ではないと思っています。町田さんは個の部分が長けているチームですから、もう1段階以上、強度を上げるためにも、良い準備をしていきたいです」 単純な戦力値の差では町田に軍配は上がるが、それだけで勝敗が決まらないのもサッカーが持つ魅力かつ醍醐味だろう。個が組織を破壊するのか。組織が個を凌駕するのか。トップチームの人件費では雲泥の差がある両チームの真っ向勝負は、必見だ。
[ 文:郡司 聡 ]
