清水は名古屋との開幕戦を0-1で落とすと、ホーム開幕戦となった前節・京都戦では土壇場の失点で追いつかれ、PK戦の末に敗れた。だが、吉田 孝行監督は「選手たちはここまでやってきたことを発揮してくれた」と、前向きな手ごたえを口にする。ここまで未勝利が続くが、チームにネガティブな雰囲気は漂っていない。
吉田 孝行監督にとって、今節は“特別なチーム”との一戦。2023シーズンからのJ1で2連覇をやってのけ、2024シーズンに関しては天皇杯との2冠を成し遂げた神戸が、対戦相手として自らの前に立ちはだかるからだ。指揮官は対戦相手が神戸だろうと、あくまでリーグ戦の1試合と認識しているが、「ここまで自分たちが積み重ねてきたもので、どれだけできるかがまずは楽しみ」と闘志を燃やす。
ミヒャエル スキッベ監督が率いる神戸は、開幕戦で京都をPK戦の末に下し、前節は長崎に2-0と、内容面でも充実ぶりを感じさせる完封勝利をやってのけた。
神戸はAFCチャンピオンズリーグエリートにも出場しているため、チームとしては過密日程の中で迎えるゲームとなるが、17日にマレーシアで行われたリーグステージ第8節・ジョホール戦は、先の長崎戦からスターティングメンバー11名を入れ替えて臨んだ。山川 哲史、永戸 勝也、小松 蓮は後半途中から出場したものの、長崎戦のスタメンでジョホール戦のピッチに立ったのはこの3名のみ。長崎戦でスタートからピッチに立った多くの選手が、清水戦に照準を合わせているとみられる。
新体制の神戸について、吉田 孝行監督は「ベースはそんなに変わっていないと思っています」と明かしつつ、次のように警戒の言葉を口にした。
「敵陣でサッカーをすることを徹底しているチームなので、(いまの清水と)同じ志向を持っていると思います。選手個々の判断、パワーは強烈だし、武藤(嘉紀)、(酒井)高徳、佐々木(大樹)は調子が良い。そこをどれだけ抑えるかも大事ですが、まずは自分たちが主導権を握って、彼らの良いプレーを出させないことが大事かなと思います」 吉田 孝行監督と同様に、今季より神戸から清水に完全移籍加入した本多 勇喜にとっても、昨季まで在籍したチームとの古巣戦となる。なじみのある選手たちの力を知っているからこそ、「練習と試合はまったくの別物。彼らと試合で対戦したことはないので、やりやすさなどはないですが、全員の能力が高いので警戒したい」と語った。
一方で、神戸側にも古巣戦を控える選手たちがいる。一昨季まで清水の守護神としてゴールマウスを守った権田 修一、昨季までオレンジのエースとしてまばゆいばかりの輝きを放った乾 貴士にとっては、移籍後初のアイスタ凱旋。さらに、約3年間にわたって清水を率いた“熱血指揮官”こと秋葉 忠宏前監督が、神戸のコーチとしてかつての本拠地に戻ってくる。
互いに何かと縁のある選手・スタッフが多いチーム同士の一戦を制するのは、清水か、それとも神戸か。
[ 文:榊原 拓海 ]

