最大のトピックは、昨季から鹿島の指揮を執っている鬼木 達監督にとって、古巣・川崎Fとメルカリスタジアムでの初対峙となる点だ。国立競技場をホームとして戦った昨季の同カードを振り返りつつ、鬼木 達監督は「国立も良い雰囲気で大勢のサポーターが集まってくれましたけど、やっぱりこのメルカリスタジアムの圧、この中で戦いたいというのは常にある」と話す。ホームの後押しを受け、勝利を目指す。
ホームの鹿島は現在、5試合を消化して勝点13を獲得し、EASTグループの首位を快走中だ。開幕戦こそFC東京にPK戦で敗れたものの、そこから見事な立て直しを見せ、以降の4試合は90分で決着をつけて4連勝を飾っている。前節・東京V戦も安定した試合運びで2-0の完勝を収めた。鬼木 達監督は「勝って満足していないなど、強いチームになっていく過程を踏んでいる」と手ごたえを口にする。中でもセットプレーでの得点力が抜きん出ており、全9得点のうち8得点がセットプレーから奪ったものだ。流れの中からの得点が少ないことを指摘する声もあるが、オープンプレーからでもゴールを奪えるようになれば、「相手に二度とやりたくないと思われるチーム」(鬼木 達監督)への変貌も進んでいくことだろう。また、前節は推進力のあるチャヴリッチやキャプテンの柴崎 岳が活躍を見せた。今節もスキのない試合運びで連勝をさらに伸ばしたい。
対するアウェイの川崎Fは、ここまで消化試合が1試合少ない中で勝点7の6位につけている。直近の第4節・水戸戦では、前半終了間際に立て続けに失点を喫する苦しい展開となったが、84分にエリソン、90+3分に脇坂 泰斗と終盤に2つのゴールを決めて同点に。その後、PK戦の末に勝利を収めた。長谷部 茂利監督は「自分たちの良い形は作れていた」と攻撃面を評価しつつ、「終了間際の5分、10分は得点も失点も多い時間帯。話した中での2失点だったので追究していかないといけない」と、最も注意が必要な立ち上がりと終了間際の時間帯のマネジメントを課題に挙げた。それでも2点ビハインドから追いつき、PK戦で得た「大事な大事な勝点2」(長谷部 茂利監督)はチームに勢いを与えるはず。個の力を生かしてゴールに迫り、今節はアウェイで90分での勝利を狙いたい。
両チームの最後の対戦は昨年の7月5日までさかのぼる。Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われた試合では、主導権を握った川崎Fが2-1の勝利を収めている。鹿島にとっては、ここで完敗を喫したことでネジを巻き直し、優勝まで突き進んでいったターニングポイントとなった試合でもある。鬼木 達監督は今回の試合を前に意気込む。
「あの悔しさがあったから優勝があったとも言えるんですけど、やっぱりこのホームスタジアムでその躍動感がなかったら意味がない。それくらいの気持ちで戦いたい」 両者のリーグ戦における対戦成績は鹿島が12勝8分24敗と大きく負け越している。鹿島がホームで勝って首位固めに入るのか、それとも川崎Fが相性の良さを見せて上位浮上のきっかけをつかむのか。注目の一戦だ。
[ 文:田中 滋 ]

