川崎Fは残留争いに巻き込まれてしまうのではと心配もされるシーズンとなったが、ここ3試合は2勝1分と負けておらず、一時期15位まで落ちていた順位も10位まで上げている。JリーグYBCルヴァンカップではプライムラウンド準決勝で新潟に敗れ、残念ながら今季のタイトル獲得の可能性はついえてしまったが、今季限りでの退任が決まっている鬼木 達監督をはじめ、チームは1つでも順位を上げること、少しでも成長することを目指し、ファイティングポーズを崩してはいない。
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)を戦っている影響もあって連戦が続いていたが、ひさびさに試合間隔が空いたことでオフも含めてリフレッシュ。オフ明けの10月26日は約600人のファン・サポーターが駆けつける中、明るい雰囲気で攻撃の質にこだわるトレーニングが行われていた。
また、同日のトレーニングでは高井 幸大、ジェジエウ、大島 僚太と戦列を離れていた選手たちがフルメニューを消化。いずれも鹿島戦に出場するかは微妙な状況だが、彼らの復帰はチームにとって明るい材料になる。
今季は思うような結果を出せなかったが、それでも1つのこだわりとしてきたのは同じチームに二度負けないこと。前節・G大阪戦は勝利こそ逃したが、先制されながらも終盤の小林 悠のゴールで追いつき、G大阪に対しての連敗を回避した。今節の相手も前半戦で敗れている鹿島であり、同じ相手に二度負けないことは大きなモチベーションとなる。
前回の鹿島戦ではゴールを決めながらも二度の警告で退場となり、さらに直近のACLEリーグステージ第3節・上海申花(中国)戦でもレッドカードを受けて退場してしまったマルシーニョ、J1得点ランクにおいて日本人では2位となる15ゴールを決めている山田 新の奮闘に期待したい。
鹿島は中後 雅喜監督体制の2試合目。前節・福岡戦はサイドを主戦場としてきた師岡 柊生が最前線に入った一方、ストライカーである鈴木 優磨が左ウイングでプレーするなど、前線の配置を変更。その上で、前線が流動的に動きながら大きな展開で相手を崩そうとした前体制の戦い方から、スペースを使って相手の守備を崩そうとするスタイルに変化。しかし、ホームでの初陣はスコアレスドローに終わった。
思うような結果が出なかったこともあり、今節でどんな戦いを展開しようとするのかは把握しづらいが、選手として鹿島でプレーしていた鬼木監督が何度も「鹿島は鹿島」と言ってきたように、勝負に徹する戦いをすることは間違いないだろう。ここまでリーグ2位の9アシストをマークしているトップ下の名古 新太郎、そして山田を2点差で追う13ゴールを決めている鈴木と結果を残してきた選手たちの活躍や、彼らを含めた前線の人選と配置にも注目だ。
確固たる哲学をもって結果を残し、Jリーグをけん引してきた両チームの一戦。金曜日の夜、見る者を魅了するエキサイティングな戦いが展開されることを期待したい。
[ 文:菊地 正典 ]


