明治安田J1百年構想EASTグループ5位の東京Vは、MUFGスタジアム(国立競技場)で2位の浦和と激突する。東京Vは前節、鹿島とのアウェイゲームを0-2で落とした。鹿島の高強度の守備に手を焼き、前半のうちに2失点。後半は選手交代で流れを変えようとしたが、終始押し込まれ、最後まで決定的なシュートチャンスを作り出せなかった。
東京Vはここまで、昨季の課題であった得点力不足を克服し、開幕から4試合で複数得点を記録。だが、鹿島戦はゴールが遠かった。城福 浩監督は、「アクシデントが起きたときの対応の早さは鹿島の強み。それを上回る攻撃をわれわれは出せなかったと思うし、もっとアクシデントを起こさせなきゃいけなかった」と振り返り、「そこはわれわれも見習わなきゃいけないと思う」と、鹿島戦での完敗を糧にする。
一方の浦和は前節、ホームで昨季のJ2覇者・水戸と対戦。立ち上がりはビルドアップがうまくいかずに押し込まれる展開が続いたが、41分に肥田野 蓮治のゴールで先制し、73分には水戸のフォファナ マリックがこの日2枚目の警告を受けて退場に。一気に浦和のペースとなり、後半アディショナルタイムには早川 隼平のパスを受けた照内 利和が迷わず右足を振り抜いて追加点。浦和が前々節・鹿島戦でのショッキングな逆転負けを払しょくする勝点3を手にした。マチェイ スコルジャ監督は「全体的に、後半は組織的に良い仕事ができたと思います。前節の鹿島戦で痛い敗戦を喫しましたので、非常にうれしい勝利となりました。われわれが良い方向に進んでいることが確認できました」と、チームの成長に確かな自信をのぞかせた。
今節は両チームのアカデミー出身選手に注目したい。東京Vは、今季からトップチームに昇格した仲山 獅恩のチャンスメークに期待がかかる。18歳のルーキーは、前々節・横浜FM戦での途中出場でプロデビュー。続く鹿島戦で初先発を飾ったが、相手の激しいプレスに苦しみ、前半のみの出場でベンチへ退いた。 仲山 獅恩は鹿島戦を振り返り、「45分、出し切れなかったのがもったいない。自分に腹が立ちます」と唇をかむ。それでも「ヴェルディは守備の部分を一番に求められると思うので、そこの基準を上げていきながら、数字にもこだわっていきたい」と語り、聖地での一戦に向けて闘志を燃やしている。
浦和はプロ2年目の照内 利和が2戦連発を狙う。前節でプロ初ゴールを挙げた19歳のストライカーは、「自分もあのスタンドにいたことがあるので、そこで応援してくださる方々の気持ちも分かりますし、自分のゴールで喜びを分かち合えて、本当に最高でした」と、純粋な喜びとともにクラブへの愛情を言葉に乗せた。また、ウイングとして出場できる点も同選手の強み。キャンプ中の練習試合で存在感を放ち、指揮官の信頼を勝ち取ってきた。水戸戦での一撃は、公式戦での確かな自信をつかみ、エースの座へと駆け上がるための大きな足がかりとなるだろう。
東京Vの仲山 獅恩、そして浦和の照内 利和。両チームが誇る若き才能が、聖地・国立のピッチでどのような輝きを放つのか。オリジナル10クラブ同士の伝統の一戦は、次世代を担う新星たちの競演という点でも、大きな注目を集める試合になりそうだ。
[ 文:白谷 遼 ]


