今季からペトロヴィッチ監督が指揮を執る新生名古屋にとって、今節からの3連戦は間違いなく前半戦の山場である。昨季は5位に終わったものの、2023年、2024年とJ1で2連覇を達成した神戸、近年安定して上位につけている広島、昨季躍進した京都と手ごわい相手ばかり。簡単にいく試合は1つもないが、逆に言えばこの連戦で自分たちの現在地が明確になるとも考えられる。もちろんこのJ1百年構想リーグもタイトル奪取を目標にしているが、昨季16位に沈んだチームの最大のテーマは2026/27シーズンに向けた戦力強化。目の前の試合で全力を出し切ることで、いまある上位との差を見つけ、改善していきたい。
その初戦、神戸との対戦で気持ちを高ぶらせているのがFWの木村 勇大だ。前節・福岡戦はゲームの流れを完全に掌握する3点目を前半の終了間際に決め、得点感覚も高まっている。昨夏に名古屋に加入した背番号22は、中学年代で神戸U-15に所属。しかしそこからU-18に昇格できず、悔しい思いを抱えながら高校や大学で研鑽を積んでプロになった。神戸とは、過去に所属した京都や東京Vでも対戦しており、「気持ち的にはちょっと薄れてきていますけど」と笑顔を見せつつも、「名古屋に来てからは初の神戸戦ですし、ホームなので意識はします」と、やはり力が入る相手だという。
木村 勇大に求められるのはもちろん2戦連続でのゴールだ。前節2得点を挙げた山岸 祐也を頂点に、マルクス ヴィニシウスと組むトリオは試合を重ねるごとに連係が深まっており、前節のようにDFやボランチからしっかりと縦パスが入れば、大きなチャンスを創出することはできるだろう。それを何回作れるのか、ゲームをコントロールする時間をどれだけ増やせるのかが注目ポイントになる。
対する神戸はAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に参戦している関係でJ1百年構想リーグでは消化が1試合少ないが、それでも勝点8を積み上げて5位につけている。11日に行われたACLEラウンド16第2戦では、韓国のFCソウルと対戦。1点ビハインドで迎えた78分に大迫 勇也が押し込んで同点にすると、89分には井手口 陽介が鮮やかなループシュートを決めて逆転し、2戦合計3-1で8強入りを決めた。
強度の高い試合をこなしたことに加え、今後も厳しい日程が続くため名古屋戦のメンバーは流動的だが、いずれにしても高いスキルを持つ選手が揃い、なおかつACLE8強入りで勢いも増しているはず。アジアでの戦いも、日本での戦いも両取りする心構えで臨んでくるだろう。
リーグ戦における両チームの過去の対戦成績を見ると、名古屋は2022年の開幕戦で勝利を収めて以降、7試合で4分3敗と神戸に勝てず、そのうち6試合で複数失点を喫している。破壊力のある神戸の攻撃を抑えるのか、逆にゴール数で上回るような超攻撃的サッカーを仕掛けていくのか。昨季までとは違う名古屋のスタイルを神戸にぶつけたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
