一方で、今節アウェイに乗り込む柏はより苦しい状態にある。ここまで1勝5敗。得点7はやや少ない程度だが、EASTグループワーストの『12』と失点が嵩んでいる。3-5の壮絶な打ち合いとなった第1節・川崎F戦は“外れ値”としても、それを含めて2点差負けが2つと1点差負けが3つ。勝ち切れない試合が続いている。リカルド ロドリゲス監督は「いろいろな原因が絡み合っていると思う」としつつ、1人のウイングの不在をその1つに挙げ、心情を吐露した。
「去年在籍していた小屋松(知哉)の不在というのは、左サイドでやはり痛手となっている部分があるかと思います。1対1で仕掛けられるところ、そしてゴール、アシストとゴールにつながる活躍を去年してくれた彼の不在というところで、左サイドはいろいろな選手をいま試して起用していますけれども、彼の抜けた穴を埋められる選手を見つけられずにいます」 浦和にとっては、昨季ホームで行われたJ1第4節で先制点を浴びた相手でもある。今回、小屋松 知哉と相対する必要がないのは喜ぶべきだろうが、それだけで勝機が高まるわけではない。アウェイでの対戦(第27節)では2-0から2-4と大逆転負け。以降しばらく、得点力不足が悪化し、浦和が複数得点を挙げるのは最終節まで待つことになった。
かように、ファン・サポーターも含めて、関係者一同が大きなダメージを負ったのが柏戦だった。しかしだからこそ、昨季との違いを示せる試合でもある。西川 周作は「(昨季の柏戦は)本当に何もできない感じで終わってしまった部分があるので、今年のレッズは違うぞというところをホームで見せるチャンス」と意気込んだ。
そして今季からキャプテンを務める渡邊 凌磨は、負傷によるめぐり合わせから昨季の柏戦には出場していなかった。それだけにポジティブな気持ちでいる。
「僕は2回とも出ていなくて、(柏について)肌感が分かっていないので、良くも悪くも新しい気持ちで挑める。ホームなので絶対負けられないから、もう1回パワーを持って入れば良い試合ができるんじゃないかなと思います」 渡邊 凌磨は東京V戦の敗北を「戦術的な課題やチームの色としてやられたという意味では、(第4節・)鹿島戦の負けともまたちょっと違う。こっちのほうが完敗という感じ」と受け止めつつ、「引きずらないことが大事」と気持ちを切り替え済みだった。「次にヴェルディと対戦するときにどうするの?だけでいいと思うし、相手ゴール前のことに執着する必要もないと思う。ちゃんとコンディションを整えて、相手のスカウティングをして、いつもどおり挑めれば」と語り、さっぱりとした表情でMUFGスタジアム(国立競技場)をあとにした。その言葉どおり、今季の浦和の強みを前面に出すような戦い方を期待したい。いまの柏が不調だからと、中途半端に構えたり引き込んだりするような状況になれば昨季の惨劇が繰り返される恐れもある。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
