前節・柏戦を1-0で制した町田は、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の日程の関係で1試合消化が少ない状況でも、首位の鹿島を勝点4差で追う2位に浮上した。今節の結果で首位が入れ替わることはないが、1位と2位の上位対決に変わりはない。そのため、屈指の好カードと言っていい。
ホームの町田の現在地は、公式戦3試合連続無失点中。4試合失点が続いていた状況から脱出し、黒田 剛監督が率いるチームらしい堅守を取り戻しつつある。特に直近の公式戦3試合では日本代表クラスのGK谷 晃生がビッグセーブを連発し、ゴールに強固なカギをかけている。「最後のゴールを割らせない」をポリシーに掲げる町田の守護神が、レオ セアラや鈴木 優磨ら、鹿島の得点源の前に立ちはだかるに違いない。
もちろん町田には、昨年度の天皇杯覇者であり、今大会のACLEでベスト8に進出している自負がある。たとえ前年度のJ1王者が相手でも、平日開催のMUFGスタジアム(国立競技場)で臆せずに真っ向勝負を挑む。
一方の鹿島は5連勝中と絶好調。昨季、9シーズンぶりとなるJ1タイトル奪還を果たしたことで、かつての“常勝軍団”がタイトルの味を思い出し、チームのスケールアップにつながったようだ。「今年の鹿島は結果を出しながら、内容も良くなっている」と目を細めるのは町田の白崎 凌兵。2019年から21年の夏まで在籍した古巣の変化を敏感に察知している。
また鹿島にとって、今節の舞台がMUFG国立であることは好都合かもしれない。実は町田が2024年にカテゴリーをJ1へ移して以降、鹿島は町田のホーム・町田GIONスタジアムでは、カップ戦を含めた公式戦4戦で全敗。町田とのアウェイゲームの試合会場が、“鬼門”と化していたGスタでないことは追い風だろう。
MUFG国立での上位対決が実現した今節。古巣戦でもある白崎 凌兵は、日本サッカーの聖地で迎える首位とのホームゲームに向けて、「最高の舞台だし、最高の相手」と気持ちを高ぶらせている。
なお、力がきっ抗すればするほど、セットプレーの重要度が増すのはサッカーの宿命。ちなみに町田の黒田 剛監督は「現代サッカーはセットプレーに強いチームが絶対強い」を持論に掲げるほどだ。ましてや鹿島は今大会でここまでに挙げた全10得点のうち、セットプレーから8得点を生み出すほど、セットプレーの攻撃力に長けている。ただし、鹿島の強さはセットプレーだけではないことも黒田 剛監督は自覚しており、「セットプレー以外からも点が取れないわけではない」とオープンプレーからの得点にも警戒を怠らない。
対する町田もロングスローを含めたセットプレーが貴重な得点源。そのため、町田と鹿島の上位対決は、セットプレーの攻防が勝敗を左右するかもしれない。
[ 文:郡司 聡 ]


