東京Vとの対戦について問われると、千葉の髙橋 壱晟と呉屋 大翔の第一声はそろって「プレーオフ以来ですね」だった。
2023年11月26日に東京Vのホーム・味の素スタジアムで行われたJ1昇格プレーオフ準決勝。その年のJ2を6位で終えてプレーオフに進出した千葉は3位の東京Vに1-2で敗れ、J1昇格を逃した。勝利した東京Vは4位の清水と対戦した決勝を1-1で終え、90分で引き分けの場合はリーグ戦年間順位が上位のクラブを勝者とするレギュレーションによってJ1復帰を決めた。
あの試合でメンバー入りした18人のうち、いまも千葉でプレーする選手は10人と半数ほどしかいない。ただ、その選手たちにはあの試合の痛烈な悔しさが残っている。特に呉屋 大翔は前半に迎えたゴール前での決定機を逃し、髙橋 壱晟は自身のサイドから2失点。その悔しさは人一倍大きかった。
だから、髙橋 壱晟が「(悔しさは)まだ残っていますよ」と言えば、呉屋 大翔は「その悔しさを晴らしたい」と語気を強める。
加えて、J1百年構想EASTで千葉は現在最下位に沈んでいる。17年ぶりの国内トップカテゴリーで自分たちのスタイルを曲げず、チャレンジを続けながら成長を実感できており、特に前節・鹿島戦は、昨季のJ1王者かつ現在の首位が悔しさをあらわにするほど内容で上回った。だが、鹿島には結果として1-2で敗れただけでなく、8試合で1勝と結果が出ていないのが現状でもある。
「10位のままいきたくないし、ここでもう1勝して(全18試合の地域リーグラウンドを)折り返したいです。(残り)10試合あったら順位なんてどうなるか分からないし、自分たちがどうあるべきか、しっかりやっているチームが上がっていくと思うから、まだまだです」 髙橋 壱晟がそう言うように、東京Vにリベンジを果たすとともに、J1百年構想リーグ後半戦に向けて勢いをつける勝点3が欲しい。
一方の東京Vもみすみすリベンジを許すつもりはないはず。現在4位と順位で千葉を上回る立場であることはもとより、J1の“先輩”としての意地も見せたいだろう。
開幕3連勝(第3節・町田戦はPK戦勝利)のあと、2連敗で首位から5位まで落ちたが立て直し、前節・FC東京戦はPK戦で勝利。90分の結果はスコアレスとはいえ、ダービーを制したことでポジティブに中断期間を過ごせただろう。
ただ、城福 浩監督は戦った選手たちを称える一方、前節の交代枠に関して「3枚しかカードを切れなかったのが現状。成長させるという意味では、危機感を持っている」とも話していた。アピールした選手がいたのかどうかも含め、中断期間中の成果がどう出るかも見どころの1つだろう。
強度を大切にするチーム同士の対戦であるだけに、随所で激しい戦いが繰り広げられることは間違いない。両サポーターの応援も含め、熱量の高い試合になるはずだ。
[ 文:菊地 正典 ]
