ミヒャエル スキッベ監督を新たな指揮官に迎えた今季の神戸は、開幕から安定した戦いぶりを見せてきた。武藤 嘉紀や酒井 高徳、佐々木 大樹ら重要戦力がケガで離脱するアクシデントに見舞われながらも、着実に勝点を積む。3月27日のJ1百年構想WESTグループ地域リーグラウンド第5節・広島戦を皮切りに、清水、岡山、名古屋を相手にすべて90分勝利で4連勝を飾るなど、混戦だった同グループでも確かな強さを発揮した。
ただ、すべての流れは一変する。きっかけは、クラブ悲願のアジア制覇を懸けて挑んだAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ファイナルズ。誰もがすべてを懸けて挑んだ戦いは無念の準決勝敗退だった。
その激闘を終え、4月29日の第13節・C大阪戦から始まった怒とうのリーグ6連戦で思うように勝点を積み上げられなくなる。C大阪にPK戦で敗れ、第14節・G大阪戦ではよもやの0-5の大敗を喫すると、第15節・広島戦ではPK戦勝利を収めたものの首位陥落。そして第16節で岡山に0-3の敗戦と苦難が次々に押し寄せた。
それでも前を向いた神戸は、5月13日に行われた5連戦目の第12節で京都を撃破。続く第17節・長崎戦はPK戦で敗れたものの、勝点1を獲得したことで、首位に返り咲く。90分での勝利を収めれば自力での首位通過が確定する最終節は、福岡に多くの時間帯で攻め込まれたが、マテウス トゥーレルのゴールを最後まで守り切って1-0で勝利。EASTグループを昨季のJ1王者・鹿島が首位通過している関係上、この時点で神戸は来季のACLE出場権も獲得。幾多の苦難を乗り越え、2024年以来となるタイトル獲得のチャンスを得た。
一方、最終節を待たずに1-2位決定戦への進出を決めていた鹿島は、EASTグループで無類の強さを見せつけてきた。
戦績は90分勝利が『13』、PK勝ちが『2』、PK負けが『2』、90分での敗戦は第13節・東京V戦のみ。2位のFC東京に勝点8差をつけるなど、昨季J1王者として貫禄の首位通過を飾る。総得点29はJ1百年構想リーグ全体で2位タイ、総失点9は全20チームの中で唯一となる1ケタと、攻守ともに盤石感を漂わせる。
けん引してきたのは昨季同様に前線で仕事をこなす2人。レオ セアラがJ1百年構想リーグ全体で1位タイの10得点を叩き出せば、鈴木 優磨は同3位タイとなる5つのアシストを記録。鬼木 達監督の下、組織力はさらに引き締まり、個のパフォーマンスも右肩上がり。充実の態勢でアウェイでのプレーオフラウンド第1戦に挑むことになりそうだ。
この対戦で決まるのは“いま日本で一番強いチームはどこか”。東西の横綱ががっぷり四つで組み合う第1戦、あらかじめ保証された興奮がスタジアムを包み込む。
[ 文:小野 慶太 ]
