栃木は前節・長崎戦で2-1の逆転勝利を飾った。53分に相手が退場者を出すと、1人多い状況を生かした攻撃からチャンスを量産。その中で、根本 凌と大島 康樹がともに2試合連続となるゴールを奪い、勝利に導いた。
特筆すべきは、7月に加入したイスマイラがすでにチームにフィットしていることだ。前節は加入後初となるフルタイム出場を果たす中、クロスで根本の同点ゴールをアシストし、終了間際には前線で起点になった流れから大島の決勝ゴールが生まれた。
イスマイラ自身が「もうコンディションは万全だ」と認めるように右肩上がりの状況にあるが、福島時代にもイスマイラを指導した時崎 悠監督は「まだまだ状態は上がる。こんなものではない」と話しており、残り11試合でのさらなる活躍に期待を寄せている。
また、前節終了直後から選手たちは「次は必ず勝つぞ」と口々に言い合っていた。今季はまだ連勝がなく、今節が八度目の挑戦になる。連勝できないと勢いに乗れないこと、浮上できないことを誰もが身に染みて感じてきた。
「今週、あらためて連勝に対する意識を共有した。この水戸戦を獲るか、獲らないかで自分たちがどこに行くのかが見えてくる。上に行くための権利を得られるように、この一戦に集中したい」(時崎監督) 良い流れで迎えるダービーで、“八度目の正直”となるか。
一方、水戸は5試合連続でドローという状況にある。
前節・秋田戦は安藤 瑞季のゴールで前半終了間際に先制したが、後半は相手の圧力を受ける中で87分に失点を喫し、ドローに持ち込まれた。山田 奈央は「最後の最後の粘り強さが足りなかった。少し相手に合わせ過ぎてしまった」と振り返る。
水戸はどの試合でも粘り強い戦いができているが、現状を打破するために、もう1つパワーが必要な状況に立たされている。
今節は、攻撃のキーマンである武田 英寿を出場停止で欠く中、激闘必至であるアウェイの“北関東ダービー”に臨む。
粘り強く戦い、今度こそ勝ち切れれば、中位、上位へと歩みを進めるための切符を手にできる。水戸にとっても重要なターニングポイントを迎える。
[ 文:鈴木 康浩 ]

