ポジティブな面に目を向ければ、第1戦ではくすぶっていた男たちがインパクトを残した。前述のアレックス シャルクはスーパーな無回転シュートで決勝ゴールをマークし、直近の明治安田J1第26節・新潟戦での失態を鮮烈に挽回してみせた。
そして、本職のセンターFWとしては浦和デビュー戦以来、ルヴァンカップBグループ第1節・湘南戦以来の先発出場となった髙橋 利樹。ゴールこそ挙げられなかったが、献身的なポストプレーでチームを助けた。決勝点の場面も、一度はロストしたボールに鋭く反応し、小泉 佳穂のアシストにつなげた。
そしてGK牲川 歩見である。こちらもかなりご無沙汰で、天皇杯2回戦・関西大戦以来の出場。先月、鈴木 彩艶が海外移籍を果たしたことから第2GKに繰り上がっていたが、控えとしてだけでなく、スタメン出場でもまったく問題ないクオリティーであることをあらためて証明した。浦和GKチームの層の厚さを示した格好だ。
試合後の会見でマチェイ スコルジャ監督が「普段ベンチにいることが多い選手たちが、この難しいスタジアムで良いパフォーマンスを見せてくれた」と評したように、チーム力を示した試合となった。ただ、手放しで称賛できない内容でもあった。
前半、後半ともに良い入りをしながら、立ち上がりの勢いが持続されずに守勢に回る時間が多くなってしまう。特に終盤は防戦一方となり、ゴール前にクギづけにされて際どいシュートを浴びる回数が激増。しのぎ切ったとはいえ、1つ間違えば同点はおろか、逆転まであり得た展開だった。
これは直近のリーグ戦から継続している課題で、攻撃が単発に終わりがちなこと、前線とサイドの選手個々の守備力にバラつきがあることに起因している。ホームの“埼スタ”であれば、同じように攻め立てられても守り切ることは可能だろう。ただ、どこかで事故が起きる可能性はある。髙橋は「アドバンテージを1回忘れて、0-0の状況で点を狙いにいくという入りをしないと」と気を引き締めたが、それと並行してマイボールの時間をなるべく増やしたい。
一方、第1戦で敗れたG大阪からすると忸怩たる結果と内容だった。多くの時間でボールを握りながら、後半開始直後に失点。「前半は自分たちが支配していた中で、あの1点でかなり、前半の45分がもったいなくなってしまう」(石毛 秀樹)と悔やまれる立ち上がりに。終盤の大攻勢もゴールにつながらなかった。
ただ、福岡 将太は「攻撃パターンを増やさないといけない」と前置きしながらも、「ボールの動かしは悪くなかったのでそこは続けて、プラスαのことができれば」と前向き。1点ビハインドから始まるだけに、さらなる攻勢をかけて“赤の要塞”を突き崩したい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
