「2点のアドバンテージがあると言っても、横浜FMが相手ではあってないようなものだと思います」と、名古屋の長谷川 健太監督は警戒を一切緩めない。選手たちからも「”前半”の90分を終えただけ。まだなにも勝ち獲っていない」と、気を引き締める声が多く聞こえた。
実際に横浜FMの攻撃陣は、交代選手も含めて強力な個性を持っている選手ばかり。それこそ受け身になり過ぎてしまえば、簡単に複数失点を喫してしまうだろう。サッカーでは「2-0は危険なスコア」とよく言われるが、いまの3-1という状況はスコア差だけを考えるとそれと同じ状況で、とりわけ早めに先制されると途端に緊張感が増すはず。横浜FMが立ち上がりから攻勢に出てくるのは火を見るよりも明らかで、それに名古屋がどう対応していくのか。まずはそこが見どころとなる。
名古屋としては、相手のビルドアップを引っかけて、速い攻撃で相手ゴールに迫ることが理想的なシェイプになるだろう。第1戦では横浜FMのDFが入れるクサビのパスに対して、DF陣がスピードを生かして前に入り、カットする場面が多く見られた。入れ替わられると途端に危険な状況に陥ってしまうため集中力は必要だが、思い切りよく出ることで相手もパスが出しにくくなる。“良い守備から良い攻撃へ”がこの試合も基本的なスタイルである。
また、両チームにとってセットプレーもカギを握る。第1戦では名古屋が3分と14分という早い時間に、椎橋 慧也と三國 ケネディエブスがCKからヘディングシュートを決めて試合を有利にした。貴重な3点目となった山岸 祐也のゴールも含めて、3アシストを記録した徳元 悠平の正確なキックもさることながら、チームとして狙いが定まっていることを感じさせる得点だった。名古屋はそれをさらにブラッシュアップした攻撃を見せられるか、横浜FMはややルーズだった守備をどう修正するのか。そこに注目していきたい。
そして交代選手のパフォーマンスも大きなポイントになる。気温はいくぶんか下がって戦いやすくなっているが、両チームともに連戦となっている。いくらタフな選手でも絶対に疲労はあるだろう。また、イエローカードなどの不測の事態もあるかもしれない。そのときに交代で出場した選手がいかにチームにエネルギーを注ぎ込むことができるのか。名古屋は直近のリーグ戦(明治安田J1第33節・福岡戦/0●1)でそれができずに“高い授業料”を払った。チームの総合力で、昨季の準決勝敗退という苦い思い出を消し去りたい。
もちろん、その交代選手という部分は横浜FMも同じ。2点のビハインドを乗り越えて2018年以来の決勝進出、そして2001年以来の優勝を目指す。
[ 文:斎藤 孝一 ]
