お互いにJ2で昇格争いを演じていた2023シーズン以来、2シーズンぶりのダービーマッチとなる。公式戦における“静岡ダービー”の通算成績では32勝9分29敗と磐田が勝ち越しているが、近年は清水がダービーで多くの勝利をもぎ取ってきたという流れがある。2023シーズンでも1勝1分と清水が勝ち越しており、磐田が最後にダービーで勝利を飾ったのは、2019シーズンの明治安田J1第30節。ここ数年はカテゴリーの違いによって2020年、2021年、2024年とダービーが行われなかったシーズンも多かったが、磐田としては静岡のプライドを示すために、近年募らせてきた悔しさをこのダービーで晴らしたいところだ。
磐田は1回戦で、J3で開幕から好成績を残しているFC大阪と対決した。開始早々に佐藤 凌我のゴールで先制したものの、22分に追いつかれると、その後は球際へのハードな守備と、ディフェンスラインの背後をシンプルに狙う鋭い攻撃を繰り出すFC大阪に対して苦戦を強いられた。それでも52分に18歳の川合 徳孟がプロ初ゴールとなる鮮やかなダイレクトシュートを突き刺し、激しい試合を制した。
一方、清水は1回戦でJ3相模原と対決。30分にセットプレーからオウンゴールで先制し、その後はチャンスを作りながらも追加点を奪えずにいたが、終盤に途中出場の北爪 健吾と清水ユースに所属する17歳・土居 佑至がそれぞれゴールを決める。後半アディショナルタイムに1点を返されたものの、J1クラブの貫禄を示す勝利を飾った。
お互いに若手の活躍もあって初戦突破を手繰り寄せた中、この試合で注目したいのはダービーでの勝利が持つ意味をよく理解している生え抜き選手たちだ。
磐田で言えば、川合 徳孟や森岡 陸らトップチームに所属するアカデミー出身選手だけでなく、現在磐田U-18に在籍する選手にも期待がかかる。FC大阪戦で途中出場からトップチームで初めて公式戦に出場した石塚 蓮歩、鹿児島キャンプ中に行われた鹿児島とのトレーニングマッチでセットプレーからチーム唯一のゴールを決めた甲斐 佑蒼は活躍を見せることができるか。
一方の清水で言えば、1回戦でトップチームでの初ゴールを決めた土居 佑至はもちろん、今季よりトップチームに昇格した小竹 知恩やリーグ戦にも絡んでいる西原 源樹ら攻撃で違いを見せられるアタッカー陣には注目だ。
1回戦でチームを勝利に導いた磐田の川合 徳孟は同世代のライバルたちとの対戦を前に「すごく楽しみな気持ちはある」と心境を明かした上で、プロになって初めて臨むダービーマッチに向けて「本当に負けられない。伝統あるチーム同士で戦えることはすごくうれしいが、本当に勝ちたい」と勝利への思いを口にする。
静岡のプライドを懸けて、これまで何度も激闘を繰り広げてきた“静岡ダービー”。伝統ある一戦で勝利に導くニューヒーローが誕生するか。
2019年の天皇杯ラウンド16以来となるヤマハスタジアム(磐田)でのダービーマッチで、最後に歓喜するのは、サックスブルーか、オレンジか。意地と意地がぶつかり合う熱戦を期待したい。
[ 文:森 亮太 ]
