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【J2日記】北九州:<連続企画>本城の雨。第3回「雨とサッカーの関係は?」(12.05.25)

北九州がホームとする本城陸上競技場は雨が多い。しかしその理由は分からない。ここまで識者に伺ってきた結果は「運が悪い」としか言いようがないものだった。
腑に落ちない思いをぷすぷすとくすぶらせたまま、私は北九州の練習場へと向かった。雨は多い。それはプレーに影響しないか。次に浮かんできたこの疑問に、ピッチに立つ選手自らに答えてもらおうと思ったのだ。

周知のとおりだと思うが、雨が多かった2011年、北九州は前年の19位から一転して終盤戦までJ1昇格争いにも顔を出す躍進を遂げた。背景にあるのは戦術面、戦力面の伸張だということに疑う余地はない。
しかし、実は雨も一役買っていたかもしれない。というのも、悪天候の日は、強豪とされるチームと対戦しながらも良い結果を得た印象が強いからだ。実際に調べてみると、雨の第16節(6月12日)は退場者を出しながらも鳥栖を相手に引き分けに持ち込み、風も強かった第33節(10月29日)は試合終了間際の劇的なゴールで勝点3を手にした。公式記録上で天候が悪い5試合の成績は2勝2分1敗。鳥栖、栃木、千葉(開幕戦で敗戦)などと対戦したことを考えても、なかなかに健闘した数字である。

どうやらそれには理由がある。
謎解きのヒントを教えてくれたのはキャプテンの木村祐志選手。木村選手は昨季、J1川崎Fから北九州に移籍し、キャプテンに大抜擢された。チームで唯一、全試合に出場、今季も北九州の持ち味であるパスサッカーの中核を担う。
その木村選手に雨の話をすると、「雨は嫌いじゃないですよ。むしろやりやすい」と話し、スマイルさえ浮かべる。雨は木村選手にとっては大した問題ではない…というよりも味方のようだ。その訳は「パススピードが上がるから」。木村選手は「止めるのも蹴るのも得意としているので、縦にもパスがすっと入る」と説明する。

新加入選手はどう思っているのだろうか。高卒ルーキーの渡大生選手に聞いてみると、「(雨だと)難しいって言うけれど、僕にはそんなことないですよ」とけろりとした表情。「芝のうえでできるだけでいい。去年までは土だったから」とも話し、雨は意に介していない模様だ。

パススピードが上がるピッチ。選手からは「相手チームがやりにくくなるのでは」という声も聞こえてくる。もちろん北九州の選手たちはこれだけ雨に降られているとピッチの特長をすでに把握している。雨の日、選手たちは天候を逆手に取って晴れた日以上の流れるようなパスサッカーを展開。手こずる相手を尻目に、勝利を近づけていると言えなくもない。

でも、やっぱり、気になることがある。
チームの中に『雨男』がいるのではないか…。いかんせん、2011年シーズンから極端に雨が増えたのである。2010年シーズンと2011年シーズンの違いといえば、監督が三浦泰年監督に交代するなどコーチングスタッフが変わったり、選手もシーズンスタート時点で新たに10人を迎え入れるなど、大きく顔ぶれが変わった。ただ、オフィシャルのスタッフだったり、必勝祈願の会場(門司区の甲宗八幡宮)であったりといったところは変わりない。

ということは…。

再び木村選手の話である。
聞きにくいけれども、雨男がいるんじゃないかと尋ねてみると、「いやぁ…」とためらいながらも「俺の考えですけどね、(雨男が)いるとすれば、俺か監督じゃないですか。(2011年の)全ての試合に絡んでるし」。

不可解な雨の謎。実は雨男がそこに存在するのかもしれない!?
とはいえ、雨のほうがより面白いサッカーができる可能性があることも分かった。北九州のパスサッカーは雨でも真価を発揮する。だから、雨に濡れても、ぜひ、本城に足を運んでいただきたい。…そんな結び方はちょっと強引だろうか。

というわけで、次回は最終回。北九州の本社にて雨対策をあれこれと伺ってきたので、写真付きで紹介する。雨でも、大丈夫。

以上

2012.05.25 Reported by 上田真之介
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