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【J1:第13節 川崎F vs 仙台】プレビュー:けが人が続く川崎Fは、首位仙台とのこの対戦で、現在の立ち位置を見定めたい。(12.05.26)

大宮との試合中のケガで足を痛めていた稲本潤一は、この試合には間に合わなさそうである。試合後にMRIを撮ったという稲本は「軽く肉離れしてる感じです」と自らの症状について口にする。この稲本を筆頭に複数の選手が戦列を離れている川崎Fの台所事情は厳しい。24日の紅白戦には、鬼木達コーチが足りないポジションを埋めるほど。ただ、だからといってチームが悲観論に覆われている訳ではない。

けが人の多さについて問われた風間八宏監督は「ここに来た時からも中心と言われる選手がいなくて。ただ、ぼくらの仕事は選手を伸ばしていくということもあるし、今あるベストを尽くすこと。ケガした選手たちも、ベストを尽くしてそうなっているわけでそれは仕方ないですね」と話す。そうした状況を受け、緊急避難的な措置ではあるにせよ、風間監督は次々と新しい選手を起用し、固定概念に縛られない新しいポジションにコンバートさせて経験をつませてきている。

サイドバックで起用した登里享平の件や、田中裕介のアンカーもそうだろう。また先発を続けてきた大島僚太に安定感が出てきているのも事実。次々と新しい選手やポジションを試す風間監督の姿勢により、実戦の舞台を踏む選手たちは成長を続け、それによってチームは進歩を続けていく。

ということで、この試合で川崎Fは意外な選手の起用もありうる状況である。ただ、仮に意外性のある選手が起用されたとしても、それは「毎回練習を見ていると変化している。調子が急に良くなる選手もいる。出ていない選手の能力がまだある。まだまだ全員うまくなると思うしリミッターが付いているわけではない」と話す風間監督にとっては必然的な起用なのだろう。そういう意味で、この試合の一つ目の見所は、試合開始前のメンバーリストという事になるだろう。

そうした状況で首位仙台をホームに迎えるこの試合では、前節の大宮戦の無失点の意味は大きいのだろうと風間監督に話を振ってみた。すると「いつも言っている通り、失点だけを取り上げる、得点だけを取り上げるサッカーではないと思うんですね」と話しつつ、「もっともっと、この前の試合でも自分たちのリズムでやれる時間を長くしたいと毎試合考えています」との答えが返ってきた。攻守における目先の結果もそうだが、自分たちのリズムでやる時間を長くしたい、という思いが強いのである。

また自分たちのサッカーという点では中村憲剛も次のように明確だ。
「いいところは継続してやれている。ただ、ミスはある。どこでスピードを上げるのか、その判断が大事になる。ポジションを取ってミスせずにやるという事の連続。それができれば相手は関係ない。どう立っていようが、外せばいいわけで」

風間監督は就任以来できるだけ自分たちの時間を長くしたいと述べてきた。そうしさえすれば、相手がどうであろうと関係ないのだという意味である。そうした考えを持つが故に、練習中には「仙台のせの字も出てこないですね」と中村は話す。

ただ、やはり仙台が強敵であるのは間違いはない。定評のあった守備力に加え、今季は得点力を身に着けている。特に献身的な守備にもかかわらず着々と得点を重ねてきた赤嶺真吾を中心とした攻撃陣はやはり脅威である。この赤嶺に加え、コンビを組むウイルソンが中盤に降りてきてパスを引き出し、攻撃のスイッチを入れる。また先発に復帰した梁勇基が位置取るサイドからの崩しの質は高い。今季、リーグ戦で無得点試合はわずかに1試合のみ。コンスタントに得点を続けている一方で、前節の名古屋戦では4得点を奪っており、攻撃を畳み掛ける爆発力も持ち合わせている。

ボールを失うことを極端に嫌う川崎Fの選手は、常にパスをつなげることを意識して試合を作っている。だからこそ、ひとつひとつのプレーを考えて行なっているのである。そんな川崎Fの選手たちにとって、赤嶺やウイルソンによってスイッチが入る仙台の守備が怖いものであるのは確実であろう。そうした仙台のプレスによって、早い展開が必要な状況に追い込まれる一方、パスコースをしっかりと探し、状況に応じて対応を考えなければならないからである。だからこそ、柏戦や大宮戦での序盤などはそうしたプレスに押され、ペースを奪われてしまっていた。そうした前線からのプレスを受けた際に、落ち着いて1枚目のプレスをはがすことが出来さえすれば、有利に試合を運べるのだがどうなるだろうか。

川崎Fと仙台は4月18日にヤマザキナビスコカップで戦っている。この際は3−1で川崎Fが勝利したが、さすがにそう簡単な試合にはならないだろう。攻守の両面で質の高さを保ちながらリーグ首位を走る仙台との対戦は、風間監督のサッカーがどこまで川崎Fの選手たちに浸透しているのかを図るバロメーターとして見ることができそうである。

以上

2012.05.25 Reported by 江藤高志
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