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【J1:第13節 清水 vs 横浜FM】レポート:初めの60分は横浜FM、最後の30分は清水のゲーム。どちらも最後の詰めを欠き、どちらも2戦連続無得点の痛み分け(12.05.27)

勝敗がどちらに転んだとしても、まったく不思議ではないゲームだった。少なくとも守備に関しては、どちらも狙いとする形は表現できていたが、ゴールを決めきる力を欠いたという部分も、両チームに共通する物足りなさだった。

今節、出場停止でアレックス、五輪代表で村松大輔、吉田豊という主力3人を欠いた清水は、予想通り中盤の3人を総入れ替えしてスタート。アンカーにはJ1リーグ初出場の姜成浩が入り、その前に小林大悟(リーグ戦では今季初先発)と杉山浩太(リーグ戦今季初出場)が並ぶ形。河井陽介が右サイドバックに移動したのも予想通りだったが、センターフォワードに鍋田亜人夢が先発起用されたのは、大きなサプライズだった。
一方、横浜FMのほうも、小野裕二(出場停止)と齋藤学(U-23日本代表)という個での突破が期待できる2人を欠いたが、その穴をまったく感じさせない布陣が整うのは層の厚さを見せつけた部分。ただ、先発の平均年齢が30.27歳と、清水(23.82歳)に比べて7歳近く高いのは、強い日差しの中で多少の不安要素ではあった。

そうしたメンバー変更の影響が感じられたのは、やはり清水のほうだった。清水はいつも通りパスをきっちりつないで、ホームで自分たちの形に持ち込もうとするが、その過程でミスが目立ち、なかなか自分たちのリズムを作ることができない。ただ、それは横浜FMの狙いが見事にはまっていた結果でもあった。
中村俊輔は、守備の狙いを次のように語る。「あんまり前から行きすぎると、オレも含めてオジサンが多いから逆にリスクがあるし、マルキと大黒には最初から(相手の)ボランチの真横にいて、なるべく走る距離を少なくするように言っていた。そうすればFWと僕ら2列目との距離が狭まるから、小椋が1ボランチ(清水のアンカー)にプレスに行けた。あれで1ボランチの選手が恐くなっちゃって、あそこから逆サイドにうまく散らすことができなくなっていたと思う」。
まさにその言葉通り、J1での経験が少ないアンカーの姜は、小椋祥平らのプレッシャーを受けてミスが出ると、その後はさらに消極的になって本来のプレーができなくなるという悪循環に陥ってしまった。清水の他の選手たちも、姜の硬さに引きずられたのかどうかはわからないが、同様にイージーミスが目立ち、危険な位置でボールを奪われて横浜FMのカウンターを受けるというパターンが、前半はかなり目立っていた。また横浜FMは、もっとも危険な大前元紀と高木俊幸のところにも、しっかりと組織で対策を施していた。
したがって、膠着した展開ではあったが、チャンスは横浜FMのほうが多く、ペースは横浜FMが握っているという流れが続く。ただし、清水のほうも守備に関しては、いつも通り切り替えが早くできており、奪われた後のプレスも早かったため、「取ったボールがあまりにも相手に渡ってしまっていた」(樋口靖洋監督)という展開。その意味では、姜も自分の仕事ができており、横浜FMとしても、自分たちのリズムでゲームを作ることはできていなかった。

そうした流れは、後半の15分あたりまで続いたが、清水が後半9分に姜に変えて高原直泰をトップに入れ、杉山をアンカーに下げたあたりから、徐々に清水のリズムが良くなっていく。逆に横浜FMのほうは、年齢差の影響が出始めたのか、運動量が清水に比べて少なくなり、中盤でのプレスも甘くなって徐々に押し込まれる場面が増えていった。
清水は交代で入った3人が全員FW登録の選手で、終盤はさらに攻勢を強めて、30分には小林が、42分には途中出場の伊藤翔(後半37分〜)が、アディショナルタイムには高原がビッグチャンスを迎えたが、どれも決めきることはできなかった。
横浜FMのほうも、同様に大きな決定機は少なくとも3回以上あったが、GK林彰洋のビッグセーブに阻まれた場面もあり、こちらも決めきる力を欠いた。初めの60分は横浜FM、最後の30分は清水という流れの中で、どちらも守備陣の頑張りを勝点3に結びつけることはできなかった。

結果的に両者とも2試合連続無得点に終わったが、その結果を比較的前向きに受け止めていたのは、アウェイの横浜FMのほう。攻撃の組み立てには満足できなかったが、守備は狙い通りにできて、カウンターでチャンスを作ることもできていた。今やっていることを変える必要はないという雰囲気は、監督や選手たちの表情や言葉からもにじみ出ていた。
一方、清水のほうは、通算1,000ゴールを目前に攻撃が足踏み状態。入念に清水対策を施してきた相手を攻めきれないという目下最大の課題は、今後に持ち越される形となった。以前からシュート数も少ないだけに、3週間のリーグ戦中断期間で攻撃全般のクオリティアップを期待したい。

以上

2012.05.27 Reported by 前島芳雄
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