柏出身、そしてユース時代から柏でプレーした石川直樹は今季から仙台の一員である。彼はJ1通算100試合出場をこの「古巣」戦で迎え、勝利で飾った。そんな彼に試合後、柏戦に勝利したことについて感想を聞いてみると…
「まずは柏云々よりも、仙台に移籍してホームで1つ勝てたことにホッとしています」と返ってきた。仙台にとっての今季公式戦初勝利が、実に拮抗したタフな試合から生まれたことを表す言葉だった。
仙台は火曜日に、柏は水曜日にACLを戦って迎えたこの一戦では、「ACLを戦った者同士の対決というだけでもタフな状況」と手倉森誠監督が振り返ったように、体力的に厳しいものがありながら、両チームともできる限りのパフォーマンスを繰り広げた。柏はクレオが立ち上がりに負傷で、仙台は終盤に蜂須賀孝治が足をつってそれぞれ交代するアクシデントもあった。そのなかで互いにチームとして何ができるか、ということが求められた。
試合は5分に、前述のクレオが負傷した時間帯で動く。梁勇基が相手最終ラインの裏を右足アウトサイドのパスで突くと、そこに走りこんでいたウイルソンが受けてシュート。これは菅野孝憲の好セーブに防がれたが、跳ね返りを松下年宏が頭で押しこんで「みんなの連動とゴール前の迫力で生まれたゴール」(松下)が生まれた。
「(失点後も)チームとして崩れずにチャンスを作ったのですが、点が入らなかった」とネルシーニョ監督が語ったような時間が、その後は続いた。柏はレアンドロ・ドミンゲスを中心に仙台の中盤と最終ラインの間を狙って速攻をしかけ、チャンスを量産。しかし仙台も適所でスペースを埋めてこれを防ぐ。
それでも後半立ち上がりの52分に、柏はリスタートから仙台がスライドした隙を見逃さずに、山中亮輔のクロスにレアンドロ・ドミンゲスが見事なボレーで合わせて同点に持ちこんだ。以後も柏は勢いによって攻勢を強めた。
仙台はJ1での前節・鹿島戦と同じような後半立ち上がりの失点だったが、違ったのはここで踏ん張ったことだった。火曜日のACLで、厳しいアウェイ戦を無失点で耐え抜いた経験がここには生きていた。「声をかけ合って、間をとられないようなカバーリングがスムースにいくようになってきました」とは石川。足をつる選手が出る中でも、じっくり耐えてチャンスを待った。
そして86分に決勝点は生まれた。86分、梁のスローインを受けた菅井直樹が、浮き球で山中をかわし、ゴールライン際からクロスを上げる。柏が陣形を崩していたわずかな隙を見逃さず、ゴール前に顔を出していたウイルソンがフィニッシュした。
シュート数は5対15とアウェイチームが優位だったが、ゴール数はホームチームが上回った。この日に生まれた3ゴールは互いに相手の隙を突いたかたちの得点で、それは疲労が濃いなかでも互いに緊張感を保った好ゲームだったことを示す。ここ数年、ACLとJ1を並行して戦うチームの苦戦が目立っている。だがこの日の試合のように苦しい中でもベストを尽くす好勝負をすることで、それぞれの大会に挑む両チームの力は上がっていく。嬉しい今季初勝利を挙げた仙台にとっては、なおさらそれを実感した試合だったのではないだろうか。
以上
2013.03.17 Reported by 板垣晴朗
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